銀行に預けられていない現金、いわゆるタンス預金が約60兆円規模に達する可能性があることが日銀の推計から明らかになりました。 ざっくりPOINT 日銀が2023年7月に新紙幣を発行 1万円札の増加率が1990年代後半以降、1000円札を大きく上回る 日銀が紙幣発行残高の半分程度をタンス預金と推計 報道の詳細 ============================================ タンス預金に対する不安と現代日本の課題 タンス預金に関しては、ネット上で多くの議論が巻き起こっています。 目立つのは「安全性」や「自由」を理由に現金を手元に置くことを肯定する声です。 特に、高齢層を中心に、銀行に預けるよりも現金を自宅で管理する方が安心という考えが根強く見られます。 一方で、防犯上のリスクや、紙幣の流通が経済に与える影響を懸念する意見も多く、タンス預金が経済を停滞させる一因になるという指摘もあります。 また、現金を可視化する動きに対して、「国家による資産管理の強化ではないか」と不信感を抱く声も見られました。 相続や災害時の備えとして一定の現金を保有することに理解を示す一方で、「脱税や裏金の温床」としての性質を警戒する意見もあり、賛否が分かれています。 中には、新紙幣の発行タイミングに合わせて、タンス預金をあぶり出す意図があるのではという見方もありました。 このように、現金を自宅に保管するという行為には、個人の自由と公共の利益が複雑に交錯しています。 今後は、キャッシュレス化の推進や金融教育の充実といった取り組みにより、国民一人ひとりが現金との向き合い方を見直すきっかけを持つことが求められています。 タンス預金という「見えない資産」が、日本経済にどのような影響を与えるのか、引き続き注視していく必要があります。 ======================================= 銀行などの金融機関に預けられていない「タンス預金」の金額について、日銀の公表資料から約60兆円規模に上ることがわかった。枚数ベースの紙幣発行残高や名目国内総生産(GDP)の総額に占める発行残高の推移などを分析した日銀の推計から割り出された。 【グラフで見る】グッと増えているタンス預金 日銀は昨年7月に新紙幣を発行し、その流通状況をまとめた解説記事(レビュー)を7月、公表した。その資料の中で、分析に関連する数字としてタンス預金を含む現金がどの程度あるのか、推計を試みた。 試算では、実際の取引に使われやすい1000円札の発行残高と、1000円札と比べてより価値の貯蔵の目的に使われやすい傾向がある1万円札の枚数の推移を比較。すると、1990年代後半以降、1000円札よりも1万円札の増加率の方が大きく上回った。 また、GDP額に占める紙幣発行残高の推移にも着目。過去の平均的な水準と比べると、90年代半ば以降にその比率が上昇し、平均を上回る部分が実際の取引に使われていない現金(非取引需要)に相当すると類推した。 こうした試算を踏まえた日銀は、最近の紙幣発行残高の半分程度がタンス預金などの非取引需要が占めている可能性があると判断した。日銀では具体的な数値まで算出していないが、2024年度の発行残高(金額ベース、約118兆円)から推計すると、「タンス預金」は約60兆円規模に達するとみられる。【古屋敷尚子】
Read more