SNS上で外国人と生活保護の受給を巡る誤情報が急増している事態を受け、NHKが報じたファクトチェック記事を端緒として、公共放送に対する批判がさらに激化している。
- NHKがSNSで拡散する外国人の生活保護受給に関する誤情報について報道し、批判がさらに激化している
- 厚労省のデータでは生活保護受給世帯のうち外国籍はわずか約2.9%であり、「3分の1」などの情報は誤りである
- 2014年の最高裁判決や憲法解釈を巡り、SNS上の議論とメディアの報道姿勢の間で大きな認識のねじれが生じている
発端となったのは、今年3月の参議院予算委員会での質疑以降に拡散した一連の投稿である。
NHKが分析ツールを用いて調査したところ、「生活保護を受給している世帯の3分の1は外国人」などとする誤った内容が拡散し、一部は6月末までに700万回以上閲覧されていた。

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SNSで急増する誤情報とNHKのファクトチェック
厚生労働省のデータによれば、2023年度に生活保護を受給した世帯は約165万世帯であり、このうち外国籍の世帯主は約4万7000世帯で全体の約2.9%にとどまる。
数字上の乖離が明白である一方、NHKの報道姿勢に対しては視聴者から厳しい目が向けられている。
SNS上では「最高裁判決を無視している」「報道しない自由を行使している」といった批判や受信料の返還要求、さらにはNHK解体論まで噴出している。
特に議論の焦点となっているのは、2014年7月の最高裁判決の解釈を巡る問題である。
同判決は「生活保護法が保護の対象とする『国民』に外国人は含まれない」としたものの、外国人は行政措置として事実上の保護対象となり得ると指摘している。
しかし、SNS上ではこの判決を根拠に「外国人への支給は憲法違反である」とする主張が勢力を伸ばし、司法判断に対する認識のズレが浮き彫りとなっている。
厚生労働省は、外国人の受給は行政措置に基づくものであり、憲法違反にあたらないとの見解を示している。
最高裁判決の解釈と広がる社会的分断の背景
こうした政府見解やファクトチェックを伝えるNHKに対し、一部の視聴者からは「国民の不満に応えず、特定の立場だけを擁護している」という不信感が向けられている。
誤情報の拡散という表面的な問題だけでなく、メディアへの不信感や日本の社会保障制度に対する疑念が複雑に絡み合っている点が今回の騒動の本質といえる。
今後の公共放送のあり方や情報発信の透明性を巡り、NHKの対応はさらなる試練の局面に突入している。