【日中関係安定】中国、石破政権の存続望む
中国の習近平指導部が石破政権の継続を望んでいると伝えられ、「日本政府の安定が日中関係につながる」との発言に対し、ネット上では「媚中」「主権を軽視している」などの批判が殺到しています。
ざっくりPOINT
中国に歓迎されるのは「媚中では?」との声
ビザ緩和や輸入再開の裏に国益軽視の懸念
日米中のバランス外交が「米国軽視」と見られる恐れ
中国、石破政権の存続望む 関係安定に期待
2024年11月、首脳会談を前に握手する石破首相(左)と中国の習近平国家主席=ペルー・リマ(共同)
【北京共同】中国の習近平指導部は昨年10月の石破政権誕生以降、日中関係が好転したと評価し、政権存続を望んでいる。中国政府筋は「日本政府が安定することが中日関係の安定にもつながる」と期待する。
昨年11月のペルーでの石破茂首相と習国家主席との初の首脳会談以降、今年3月の王毅外相の訪日など閣僚級の往来が増えた。中国は日本人への短期滞在ビザ(査証)免除措置を再開させ、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に伴い全面停止していた日本産水産物の輸入再開も発表。懸案を一つずつ解決してきた。
https://news.jp/i/1313387189354038238
中国からの評価に潜む戦略的思惑への懸念
中国が石破政権の存続を望むと明言した背景には、短期ビザ緩和や福島第一原発処理水問題の打開、閣僚級交流の再開といった一連の関係改善の動きがあります。
こうした姿勢に対し日本国内では、「中国が日本を利用しようとしているのではないか」「外交主権が揺らいでいる」といった警戒感が強まっています。
特にネット上では「中国に評価される首相など信用できない」「日米関係よりも中国を優先しているのでは」との声が相次ぎました。
過去にも中国が特定の日本政権に「好意的評価」を示した例はありますが、いずれも国内では「内政干渉」「外交利用」との見方が支配的でした。
外交の自由度が増す一方で、外圧との距離感をどう取るかが問われています。
日本の主権外交を守るには何が必要か
日本の外交の軸は日米同盟を中心とした自由主義陣営との連携であり、中国との関係改善はあくまでその補完的な位置付けであるべきです。
中国の評価を政権支持の根拠とするような構図は、国民に対して不信感を与え、政権の正統性を損なう恐れがあります。
外交上の柔軟さと戦略的中立は必要ですが、それが「親中」と見られるような言動や政策に繋がれば、対外的なバランスを欠き、国内政治にも悪影響を及ぼします。
とりわけ安全保障や経済政策においては、中国との交渉に際し明確な一線を引き、譲れない国益を明確に主張する姿勢が求められます。
石破政権が今後も国際社会で信頼され、国内で支持され続けるためには、「日本独自の立場」を明確に打ち出す外交の一貫性が不可欠です。
中国からの歓迎に浮かれることなく、冷静な判断力が問われています。
https://news.jp/i/1313387189354038238