経済学者の多くが在留外国人増加の経済効果を肯定する一方、読者コメントには治安悪化や賃金低下を懸念する声が相次いでいます。 ざっくりPOINT 若い外国人の税・社保負担が財政を下支え ネット上では治安悪化や賃金低下への懸念拡大 語学教育や保険料設計など統合政策が成否を分ける 報道の詳細 =============================================== 「在留外国人増加で財政改善」66% 経済学者、若年層の流入重視 【イブニングスクープ】 日本経済新聞社と日本経済研究センターは経済学者を対象とした「エコノミクスパネル」で外国人政策について聞いた。在留外国人が増えることで財政収支が改善するとの見方が66%に上った。若い外国人労働者が人手不足を補完し、税や社会保険料の支払いも大きいためだ。外国人の定住や高齢化を見据えた制度設計を求める声も多かった。 Q. 在留外国人の増加は、平均的な日本人の生活水準の向上に寄与する 2024年末時点の在留外国人数は約377万人と前年から11%増えた。外国人労働者の受け入れが経済に欠かせないとの見方がある一方、日本人の雇用との競合や、治安への悪影響を懸念する声もある。そこで47人の経済学者に「在留外国人の増加は平均的な日本人の生活水準の向上に寄与するか」を問うた。 回答は「強くそう思う」(6%)「そう思う」(70%)の割合が計76%に達した。建設や運輸などの分野では人手不足が目立つ。東京大の田中万理准教授(労働経済学)は「外国人の就業増加によりモノやサービスの供給不足や価格上昇が抑えられる」として受け入れのプラス面を強調した。 経済学者による主な意見 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD235MN0T20C25A7000000/ =============================================== 世論と専門家のギャップが示す移民政策の課題 在留外国人は2024年末で377万人となり、人口比は約3%に達しました。 経済学者66%が財政改善を、76%が生活水準の向上を見込む一方、ネット上では「低賃金競争で日本人が職を失う」「治安が欧州のように悪化する」といった投稿が目立ちます。 確かにEUでは受け入れ後の社会統合が遅れ、移民二世の失業率が高止まりする例があります。 ドイツは語学教育や職業訓練に年200億ユーロ超を投入し、長期的な税収増で回収するシナリオを提示しましたが、短期的な財政負担は避けられません。 日本でも技能実習から特定技能への転換で定住化が進む見通しです。 田中万理准教授さんは「供給不足の緩和で物価上昇を抑制できる」とし、北川透教授さんは「優秀人材の流入が技術革新を促す」と述べています。 しかし、コメント欄では「上級国民だけが得をする」と所得分配への不信が強く、社会保険未納や生活保護増など制度設計の甘さを突く意見もあります。
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