トランプ大統領と日本政府が主張する日本からアメリカへの5500億ドルの投資の性質が大きく食い違っています。 ざっくりPOINT 日米で投資の性質について解釈が食い違い トランプ氏は「契約ボーナス」や「我々の資金」と表現 日本側は民間主導の投資支援の枠と説明 =================================================================================================== 米国側と日本側の見解対立の全容と背景 トランプ大統領は、日本からの5500億ドルの投資について「契約ボーナス」であり「我々の資金」と述べました。 さらに、「米国が90%の利益を得る」とも主張しています。 これに対し、日本政府はこの金額が民間企業の投資を促すために政府系金融機関が融資や保証を行う支援枠であり、直接的な送金や供与ではないと説明しています。 アメリカ側の主張は、選挙戦略として成果を誇示する意図が強く、対外的なメッセージとしての側面もあります。 また、今回の枠組みは短時間の交渉でまとめられ、日米間で明文化された正式合意がないことが、説明の食い違いを生む背景となっています。 さらに、相互関税制度についても、日本は「既存関税が15%以上の品目には上乗せされない」としている一方、アメリカは「全品目に15%を上乗せ」とする大統領令を公表しており、貿易条件の解釈にも大きな差があります。 このように、両国間での合意内容に関する理解と発信にずれがあり、今後は明確な文書化と透明な説明が求められます。 =================================================================================================== アメリカのトランプ大統領は、日米の関税交渉で合意した日本からアメリカへの5500億ドルの投資について「我々の資金で、我々の好きなように投資できる」と改めて説明しました。 【画像で解説】合意後に出てきた「日米の認識のズレ」一覧 “合意文書なし” の思惑とは? トランプ大統領 「私は5500億ドルの契約ボーナスを日本から得た」 アメリカのトランプ大統領は5日、CNBCテレビの電話インタビューに答え、日米が合意した日本からアメリカへの5500億ドル=81兆円あまりの投資について「野球選手が受け取る契約ボーナスのようなものだ」と説明しました。「それは我々の資金で、我々の好きなように投資できる」とも改めて強調しています。 一方、日本側は「5500億ドル」は民間企業などによる投資を政府系金融機関が出資や融資、融資保証を通じて支援する枠を示した金額だと説明していて、日米で説明が大きく食い違っていることが改めて示された格好です。 また、トランプ氏は「これまで日本でビジネスをしたら逮捕されていたが、今では日本は完全に国を開いていて、彼らは我々のコメまで輸入している」と話し、日米合意の成果をアピールしました。 そのうえで、「さらに重要なことは、彼らが我々の自動車も輸入することだ。非常に美しいフォードのF-150は大成功を収めるだろう」と話しました。フォードのF-150はアメリカでは人気のピックアップトラックですが、非常に大型で、アメリカに比べて道路や駐車場が狭い日本市場での需要は限られているとみられます。 こうしたなか、トランプ政権は5日、連邦官報に掲載する予定の文書として、各国に対して新たな相互関税率を定める大統領令を改めて公表しましたが、そこでも日米間の説明の食い違いがみられます。
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