アメリカのトランプ大統領は21日、自身のXの投稿で、イラン国内にある3カ所の核関連施設に対して空爆を実施したことを明らかにしました。 対象となったのはフォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの各施設で、投稿では「非常に成功した作戦だった」としています。 トランプ大統領によると、フォルドゥには爆弾を完全搭載した上で攻撃を行い、すべての米軍機はイランの空域を離れ、現在は安全に帰還中であると述べました。 また、「偉大なアメリカの兵士たちに祝意を表す」とし、「この任務を遂行できるのは世界でアメリカ軍だけだ。今こそ平和の時だ」と強調しました。 これまでアメリカは、イスラエルによるイランへの軍事行動には直接関与してきませんでしたが、今回の行動でその方針を転換し、前面に立って軍事作戦を遂行しました。 これにより、中東地域における緊張はかつてないほど高まっています。 特に、イランが今後報復行動に出る可能性が高く、アメリカ軍の中東拠点が標的となる懸念もあります。 これに先立ち、トランプ政権はイランの核兵器開発を交渉によって阻止しようと、4月12日から5回にわたる協議を行ってきました。 しかし、イラン側は核活動が平和目的であると主張し、ウラン濃縮活動の全面停止には応じませんでした。 そのため、今回の空爆は、外交交渉が決裂した末の軍事的選択と言えます。 話題のポスト イラン核施設の軍事攻撃がもたらす国際的波紋 アメリカによるイラン核施設への空爆は、単なる軍事行動にとどまらず、国際政治に大きな波紋を広げています。 イランの核開発は長年にわたり国際社会の懸念の的であり、2015年のイラン核合意(JCPOA)により一時的に抑制されていましたが、トランプ政権は2018年に一方的に合意を離脱しました。 その後、イランは核活動を再開し、濃縮ウランの生産量を増加させてきました。 今回の攻撃は、その活動を実力で止めるというメッセージでもあります。 フォルドゥは山中に建設された地下施設で、外部からの攻撃に強いとされていました。 そのため、米軍による攻撃成功のアピールは、抑止力の強化を目的としたものと見られます。 しかしながら、これがイランの反発を招き、報復や地域の不安定化につながる可能性も否めません。 国連安保理や国際原子力機関(IAEA)の対応、また他国の反応も今後の展開を大きく左右することになります。 軍事行動の代償と求められる外交的再構築 今回の空爆はアメリカにとって軍事的な成功であったとしても、それが長期的な平和や安定を保証するものではありません。 イランが報復に出れば、再び軍事衝突が激化し、地域全体の安全保障環境が悪化する恐れがあります。 特に中東に駐留する米軍や同盟国への攻撃リスクが高まることは避けられません。 外交交渉が失敗に終わった今こそ、国際社会の協調による新たな交渉枠組みが求められています。
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