バスやタクシー業界での外国人労働者受け入れに伴い、日本語力の要件を緩和し「サポーター」同乗制度を設ける案に対し、ネット上では人件費増加や制度の非効率性を指摘する声が相次いでいます。
ざっくりPOINT
人手不足解消のための外国人受け入れ案
日本語力不足を「サポーター」で補う新制度
ネットでは「コスト増」「非効率」と批判殺到
■サポーターが運転すればええやん
■すげー無駄な事してんなあ。
■その程度なら標識も理解できてないだろ 止めとけよ
■我が国、日本人への殺意が凄い
■賃上げが起こらない原因。
■20年後には飲食店の猫型ロボに手足付けてAIが運転する感じになるんかな。
■人件費が増えてて草
ドライバー不足と制度の現実
今回の制度案は、深刻な運転手不足を背景にしています。
国交省の試算では、令和10年までに最大2万4500人の外国人運転手の受け入れを見込んでおり、これは労働力の補填というよりも業界維持のための“延命措置”です。
ただし、N4レベルの日本語力にとどまる外国人に対しては「日本語サポーター」の同乗が義務化されることで、賃金や雇用体系の複雑化が生じ、結果的にコスト増を招く構造になっています。
この制度設計に対し、ネット上では「人件費が倍増する」「意味がない」といった批判が殺到。
特に一部ポストでは「だったら最初から日本人を雇えばいい」といった本質的な問いかけも出ています。
制度は誰のためかが問われる段階に
制度そのものが、業界の即時的な人手不足を補うことに重点を置いているのは明らかです。
しかし、サポーターを同乗させることで補うという手法は、長期的な効率性や運営合理性に欠ける点が否めません。
むしろ現場レベルでは、研修や調整などの負担が増え、管理コストや人件費の増加を招く懸念が現実味を帯びています。
また、利用者側から見たときにも、安心や安全の観点でどう感じられるかという検討も不足しています。
この制度設計が誰の利益を考えているのか。
今後の人手不足対策は、単なる補填ではなく、構造改革と並行した政策設計が求められる局面に差し掛かっています。
人手不足が深刻な業界で外国人労働者を受け入れる「特定技能」制度をめぐり、政府はバスやタクシー運転手の日本語能力要件を緩和する案を有識者会議へ示した。現在は5段階のうち真ん中の「N3」レベルを課しているが、2番目にやさしい「N4」も認め、その場合は運転手OBら「日本語サポーター」の同乗を義務づける。国土交通省は「バス、タクシーの運行を維持するためには、一刻も早く日本語能力要件を緩和する必要がある」としている。
半島部や離島では単独乗務
バスとタクシー運転手の特定技能での受け入れは昨年3月に閣議決定。国交省によると、特定技能の在留資格を得るための「評価試験」に合格した外国人は4月末時点でバス171人、タクシー82人の計253人。このうち特定技能を取得ずみはタクシー3人、バスはゼロにとどまるが、いずれは日本語能力試験などをへて、特定技能による運転手として乗務することになる。
両業界では、全産業の平均と比べて長時間、低所得という労働環境から、たとえばバス運転手は毎年約3千人ずつ減ることが懸念され、運転手不足により年間約2500キロの路線が廃止。政府は令和10年までの5年間で、特定技能によるトラック、バス、タクシー運転手の受け入れを最大計2万4500人見込んでいる。
今月11日に法務省の特定技能と育成就労両制度の有識者会議で示された案では、現在N3レベルを求めている日本語能力をN4でも可能とし、N4ドライバーには「日本語サポーター」の同乗を義務づける。また、事故率の低い半島部や離島ではN4運転手の単独常務を認める。
国交省は日本語サポーターについて、バス運転手OBやバス会社の事務員、バスガイドなどの日本人を想定している。
日本語能力試験を運営する日本国際教育支援協会によると、N3合格の目安は、新聞の見出しなどから情報の概要をつかめるなど「日常的な場面で日本語をある程度理解できる」レベル。一方で、一段階やさしいN4は日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話がほぼ理解できるなど「基本的な日本語を理解できる」レベルという。
「運転技能や接客能力は同じ」
国交省によると、制度設計の際、もともと日本語能力はN4を要件とする考えだったところ、バスやタクシー運転手は乗客と接する機会が多いとして、他業種より高いN3の日本語能力を求めることになったという。
同省旅客課は「N3もN4も、評価試験に合格し第2種運転免許を取得した上で、新任運転者研修も受けるのは同じで、運転技能や接客能力は同じ水準を確保している」と説明。「ただ、マニュアルで想定していない場合に備えて、N4の場合は日本語サポーターを配置することにした」という。
2種免許をめぐっては、昨年度から学科試験が最大20言語で受験可能となった。大型バスを運転できる大型2種免許の保有者約76万人のうち、外国籍は約4千人という。
特定技能の在留資格は、即戦力の労働者を確保するためとして平成31年に始まり、政府は受け入れ拡大を進めている。特定技能は1号と2号があり、1号は最長5年、2号なら更新すれば期限はなく、家族帯同も認められる。
同課は「もちろん、外国人だけで運転手不足をすべてカバーできるとは考えていない。バス運行のシステム化で運転手の必要人数を減らしたり、日本人の採用を増やすことが主な対策だ」と強調。「課題解決の一手段として、外国人にも入っていただくことが必要で、それは一刻も早くやらなければならない」と話している。
https://www.sankei.com/article/20250620-2HKHKZS2NBDJ7GGVWQYF5HHBHQ/