国内のビジネスシーンにおいて大きな存在感を放ってきた経営コンサルティング業界が、歴史的な転換期を迎えている。
帝国データバンクの最新の調査によると、2026年1月から5月までの期間における経営コンサルティング業の倒産および休廃業・解散の累計件数は前年同期比11%増の242件に達した。
拡大を続けたコンサル市場に異変、過去最多となった倒産と休廃業
これは比較可能な2000年以降の集計において過去最多の数字であり、業界内部における深刻な環境変化を浮き彫りにしている。
- 1月から5月までの経営コンサルティング業の倒産・休廃業解散は累計242件となり、2000年の集計開始以来で過去最多を記録した。
- 基礎的なリサーチや汎用的な研修コンテンツ作成などが生成AI(人工知能)に代替され、市場の伸び率が縮小している。
- 帝国データバンクは、明確な専門性による差別化を図れない事業者の淘汰が今後さらに加速すると警鐘を鳴らしている。
内訳を見ると、法的整理による倒産が74件(前年同期比7%増)、法的手続きを取らずに事業活動を停止した休廃業・解散が168件(同13%増)となっている。

News22 Visual Archive • In-Depth Coverage
かつては右肩上がりで市場規模を拡大させてきた経営コンサルティング業界だが、ここにきて淘汰の波が急速に押し寄せている形だ。
国内の経営コンサルティング市場は事業者売上高ベースで2023年度に4兆円を突破し、従事する従業員数も17万人に達するなど大きな盛り上がりを見せていた。
しかし、近年はその伸び率に陰りが見え始めており、市場の成熟とともに競争が激化していた。
こうした市場環境の変化に加え、業界に決定的なインパクトを与えているのが、近年の生成AI(人工知能)の劇的な進化と普及である。
これまで多くのコンサルティング事業者が担ってきた基礎的なリサーチ業務や、汎用的な研修コンテンツの作成といった定型的な作業は、いまや生成AIによって瞬時に、かつ低コストで代替されるようになった。
生成AIの台頭がもたらす構造変化と、問われる「真の専門性」
SNS上でも「知ったかぶりや既存データを商材化しているだけでは生き残れない」「AIのほうが圧倒的に優れている」といった厳しい視線が向けられており、付加価値の低いサービスに対する風当たりは強い。
帝国データバンクは、今回の調査結果を踏まえて「専門性による差別化を図れない事業者は、生成AIの台頭による下押し圧力に耐えきれず、今後さらに淘汰が加速するとみられる」との見解を示している。
AIにはマネできない独自の深い専門性や、実効性のある課題解決能力を持たない「似非コンサル」や中抜き的な業態は、急速に居場所を失いつつある。
今後は、単にデータをまとめるだけの存在ではなく、AIを使いこなしつつ真に顧客企業の価値創造に寄与できるごく一部のプレイヤーだけが生き残る、厳しい選別の時代が続くことになりそうだ。






