Z世代はステーキを“ごちそう”と感じず、手間や脂っこさ、価格に対する満足感の低さからステーキ離れが進んでいる ざっくりPOINT Z世代には「ステーキより焼き肉や寿司」「スイーツに使いたい」といった外食志向の変化 柔らかく食べやすいものを好む傾向が強く、噛む回数や手間を重視 健康志向とお金がかかるイメージで、鶏肉やコンビニチキンへのシフトも Z世代に見る“食の合理主義”と価値観の変化 Z世代の食選択は、味や見た目の豪華さよりも「効率」「快適さ」「自分へのフィット感」が重視されています。 背景には、柔らかい食べ物に慣れたことによる咀嚼力の低下、SNSの影響で高まる共感志向、そして物価高や収入格差といった経済的制約が存在します。 さらに、「時間をかけずに満足感が得られる」ことが現代の“ごちそう”の条件になっており、ステーキのような手間のかかる食事は敬遠されがちです。 こうした傾向は、飲食業界に対しても新たな対応を迫るものとなっており、メニューや提供方法の見直しが進んでいます。 これからの外食産業は、単に高級さを追求するのではなく、Z世代の価値観に寄り添った多様な提案が求められます。 「自分に合う贅沢」を選ぶ時代へ 従来のように“ごちそう=高級料理”という価値観は、Z世代の間ではすでに通用しなくなりつつあります。 彼らが求めるのは、価格や形式ではなく「今の自分にとって心地よい体験」であり、たとえそれがコンビニのチキンでも、気の合う仲間と食べることで価値ある時間になります。 この変化は、単なる食のトレンドではなく、価値観やライフスタイルの変容を反映しています。 消費者一人ひとりが、自分にとっての“ちょうどいい”を自由に選べるようになった今、外食や食文化全体もその柔軟さと多様性を受け入れることが不可欠です。 ステーキ離れは、過去の価値にとらわれずに未来志向の選択をするZ世代の姿勢の表れとも言えるでしょう。 日々流行の最先端やニュースを追いかけるトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏。そんな戸田氏が最近気になる外食の嗜好の変化について読み解く。 ■【画像】「ごちそう」の概念が変化 Z世代が「ステーキ」よりも好む“食事”はこちら! 中高年世代に「ごちそうとは?」と聞けば、多くの人が「ステーキ」を思い浮かべるのではないでしょうか。昭和の時代、ハレの日の外食といえば分厚いビフテキが登場し、「今日は特別な日なんだ」と気分を高めてくれる存在でもありました。 しかし、時代は令和へと移り変わり、その常識が揺らぎ始めています。今やSNSを覗けば、《ステーキよりも焼き肉や寿司を食べたい》《ステーキ食べるおカネがあったらスイーツに使いたい》といった意見が多数寄せられているのです。特にZ世代と呼ばれる10代後半から20代前半の若者たちの間では、ステーキ離れの兆候が色濃く出ているように感じられます。 Z世代がステーキを苦手とする理由としては、「いっぱい噛まないといけないから疲れる」「脂っこくて胃がもたれる」「高いわりに満足感がない」といった意見が目立ちます。 また、健康志向が高まっていることから、「ステーキは不健康で食べにくい」「肉なら鶏肉のほうがヘルシーでいい」と感じる人も多いようです。 ■“ごちそう=高級な料理”ではない ではなぜ、Z世代の若者たちはステーキに魅力を感じなくなったのでしょうか。
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