「それが高校生に対する指導者の姿勢」79歳・阪口監督、夏の甲子園でも立ったまま指揮

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【第105回全国高校野球選手権記念大会】大垣日大7-2近江(1回戦・第3日・第4試合・甲子園)

監督歴59年目、御年79歳の阪口慶三監督率いる大垣日大が初戦で近江を7-2で下した。阪口監督は自身が持つ甲子園最高齢勝利記録を更新するとともに、節目となる甲子園通算40勝目をあげた。試合中はベンチ内のグラウンドに一番近い位置で立ったまま指揮。「(ベンチで座らないのは)練習でも、それが高校生に対する指導者の姿勢、考え方だと思う」と高校野球の監督としての矜持を語った。

【映像】ベンチで立ったまま指揮を執る阪口監督(15分15秒ころ~)

愛知の名門・東邦で監督を務めたころは、「鬼の阪口」「阪口鬼三」の異名を持ち、「日本一厳しい監督」とまで呼ばれた。それでも、時代の変化に順応に対応し、東邦時代の後期から指導方針を一変。”鬼”から”仏”へと華麗な変貌を遂げた。甲子園のインタビューで教え子とともに「イェーイ!」とピースサインを見せ、オールドファンやかつての教え子を驚かせたこともある。

2022年センバツでは史上初めて昭和、平成、令和の3元号で甲子園勝利をマーク。長きにわたり高校野球の世界で結果を残し続けるのも、高い順応力の証だ。

この試合でも、選手のプレーに笑顔で拍手を送るなど孫ほど年の離れた球児を温かく見つめながら、スリーバントスクイズや機を見た投手交代など「名采配」を連発。百戦錬磨ぶりをいかんなく発揮した。

ただ、60年近く監督を務め、偉大な記録を残しながら、実はひとつだけ達成できていないことがある。それが、夏の甲子園での優勝だ。選手たちに真摯に向き合い続け、ひとつひとつ勝ち星を積み重ねれば、その偉業も見えてくるはずだ。

画像提供:バーチャル高校野球

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