日本の原子力行政を監視・管轄する原子力規制庁において、業務用のスマートフォンが相次いで紛失していたことが明らかになり、大きな波紋を広げている。
今年1月、同庁の職員がプライベートで訪れた中国において、業務用スマホを紛失していたことが一部メディアの報道で発覚した。
- 原子力規制庁の職員が保有する業務用スマホの紛失が、2025年だけで少なくとも6件発生していたことが弁護士ドットコムニュースの開示請求で判明した。
- 今年1月には、職員が私用で訪れた中国で業務用スマホを紛失していたことが報じられ、機密情報の漏洩懸念やネット上で厳しい批判の声が上がっている。
- 開示された文書には内閣官房のCIセンターへの報告も含まれており、防災携帯電話の管理体制やセキュリティ意識の甘さが改めて浮き彫りとなった。

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この報道を受け、弁護士ドットコムニュースが原子力規制委員会に対して行政文書の開示請求を行ったところ、2025年の1年間だけで少なくとも6件の紛失が発生していたことが判明した。
相次ぐ業務用スマホの紛失、開示請求で判明した実態
開示されたファイルには「防災携帯電話の紛失について(報告)」と題されたものが含まれており、黒塗り部分が多いものの、それぞれが別個の事案であることが確認されている。
紛失の現場となった場所は、出張先のホテル周辺や飲食店からの帰宅途中の路上、さらに研修会場から宿泊施設への移動中など多岐にわたっていた。
報告書の中には、遠隔地であることを理由に日に一度行うべき防災携帯の確認を数日間にわたって怠っていたケースや、紛失してから数日間も気づかなかった事例もあったことが記されている。
ネット上では「技術立国としてあり得ない」「スパイ活動やハニートラップではないか」といった厳しい意見や、情報セキュリティに対する意識の低さを指摘する声が相次いで投稿されている。
こうした紛失事案の中には、外国の情報機関による諜報活動から重要情報や職員を保護する役割を持つ、内閣官房のカウンターインテリジェンス(CI)センターへ報告されていたケースも含まれていた。
原子力規制庁によると、緊急対応時に使用する防災携帯電話は約500から600台保有されており、現在はすべてスマートフォン型となっている。
端末には職員の氏名や電話番号、メールアドレスなどが登録されており、地震などの災害発生時に緊急メールが送受信される仕組みになっている。
内閣官房のCIセンターへの報告も、問われる情報管理体制
規定では「肌身離さず携帯する」こととされているが、日常業務で頻繁に使用する機会が少ないことも、管理の緩みにつながっているとの指摘がある。
技術上は遠隔操作によるデータ消去やロックが可能とされているものの、情報管理の徹底や職員への教育体制については、今後より一層の厳格化が求められることは必至である。
さらに、今回開示された文書以外にも、すぐに見つかったなどの理由で報告書が作成されなかったケースが存在する可能性もあり、実際の紛失件数はさらに多いおそれがある。
国の安全保障や原子力セキュリティーを担う中枢機関であるだけに、相次ぐ情報端末の紛失は、国民の信頼を揺るがす深刻な問題として今後も追及されることになりそうだ。