兵庫県姫路市に拠点を置く東芝グループ会社から、営業秘密にあたる金型図面データが不正に持ち出された事件で、警察は元社員ら3人を不正競争防止法違反の疑いで逮捕した。
逮捕されたのは、姫路東芝電子部品の元社員の男(57)、中国籍の男(47)、そして上郡町の無職の男(55)の3人である。
- 東芝グループ会社の元社員ら3人が、センサー製造の金型図面データを不正に持ち出したとして逮捕された。
- 元社員は2022年12月にデータをコピーし、中国籍の男へメール送信。中国の精密機械メーカーに流出した疑いがある。
- 経済安全保障が問われる中、内部関係者による技術流出の深刻さが改めて浮き彫りとなった。

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警察の調べによると、元社員の男は2022年12月、国外での不正利用を目的として、同社が所有するセンサー製造用の金型図面データ5つをコピーした疑いが持たれている。
センサー製造の核心技術が流出か
持ち出されたデータは、その後メールを通じて中国籍の男へと送信された。
捜査関係者への取材で、元社員らは2023年10月ごろまで同様の行為を繰り返していた可能性が高いことが判明した。
送信されたデータは、中国の精密機械メーカーへと流出したとみられており、事態の深刻さが増している。
事件が発覚したのは2024年1月。会社側からの相談を受けた警察が捜査を進め、今回の逮捕に至った。
現在、警察は3人の認否について明らかにしていないが、組織的な関与の全容解明を急いでいる。
今回の事件は、日本の製造業が誇る先端技術が、いかに容易に海外へ流出し得るかという現実を突きつけた。
特にセンサー製造に関わる金型技術は、企業の競争力の源泉であり、これが海外企業に渡ることは日本の産業優位性を根底から揺るがす事態だ。
経済安全保障を揺るがす内部犯行の脅威
経済安全保障の観点から見れば、技術流出は一度発生すれば取り返しがつかず、長期的な国益の損失に直結する。
経済産業省などは企業に対し、不正競争防止法や経済安全保障推進法に基づく管理体制の強化を強く求めてきた。
しかし、今回のケースのように内部関係者が関与した場合、アクセス権限の管理だけでは防ぎきれないという課題が浮き彫りとなった。
企業には、内部通報制度の拡充や社員教育の徹底、そして異常を早期に検知するシステムの構築など、多層的な防衛策が求められている。
経済活動と安全保障が不可分となった現代において、本件は日本企業全体に対する重大な警鐘といえるだろう。