中国資本による日本国内の不動産買収の波が、静かな離島にも押し寄せている。瀬戸内海に浮かぶ山口県周防大島の笠佐島で、中国人による土地取得が進んでいることが明らかになった。
- 山口県周防大島の笠佐島で、中国人による土地取得が進行し、インフラ整備や別荘建設が進められている。
- 米軍岩国基地など重要拠点の近接に位置することから、地域住民の間で安全保障上の深刻な懸念が広がっている。
- 日本の現行法制度における規制の緩さが指摘される中、諸外国の厳格な規制と比較して法整備のあり方が問われている。
購入された土地では別荘目的とみられる開発が進行しており、林道の整備や新しい電柱の敷設など、生活環境が急速に整えられつつある。

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人口7人の離島で進む中国資本による土地取得
島民の間では「島全体が中国人に買い占められるのではないか」という不安の声が上がっており、現地を訪れる外国人の姿も目撃されている。
笠佐島は、広さ94万平方メートル、人口わずか5世帯7人の小規模な島であり、本土との間は1日3〜4往復の連絡船だけが頼みの綱という孤立した環境にある。
現地を実際に歩くと、島の船着き場から東西に走る林道はよく手入れされており、真新しい電柱が並ぶ光景が広がる。上空を米軍岩国基地の航空機が飛行するため、時折爆音が響く。
森林を抜けた先にある木々が伐採された空間では、中国人が購入した土地が確認され、電柱や放置された工事用重機が見受けられるなど、開発の手が確実に伸びている。
登記簿や地元の不動産業者の証言によると、購入されたのは計2筆、3651平方メートルの土地であり、インターネット上の分譲情報を通じて中国人男性から問い合わせがあったという。
こうした動きは笠佐島だけに留まらず、広島市沖の離島など瀬戸内海全域で中国人の不動産買い求めの動きが活発化している。
背景には、1994年のWTO協定(GATS)締結に伴い、外国人も日本人と同様に国内の不動産を取得できる現状があり、法的な大きな制限が設けられていない実態がある。
オーストラリアやカナダ、韓国などの諸国では、外国人の不動産購入に対して厳格な制限や特別税を課すのが一般的であるのに対し、日本側の対応の遅れが指摘されている。
広がる安保上の懸念と問われる日本の法規制
2022年に「重要土地等調査法」が施行されたものの、その規制の実効性については依然として限定的であるとの見方が強い。
笠佐島周辺は自衛隊や在日米軍の重要拠点が集中する瀬戸内海の要衝であり、地政学的な重要性が非常に高いエリアである。
このような場所での中国資本による土地取得に対し、将来的にドローン基地や監視拠点として転用されるのではないかという安全保障上のリスクが懸念されている。
中国には、国内外を問わず政府が自国民や資産の協力を義務付ける「国家情報法」や「国防動員法」が存在するため、住民の不安は決して杞憂とは言えない。
法的な手続きに違反がなかったとしても、国境離島における外国資本の浸透は、国家の主権や安全保障の観点から看過できない重大な課題として本格的な議論が求められている。