社民・福島党首、石破首相を「歴史修正主義者ではない」辞任要求は「笑止千万」

社民党の福島瑞穂党首は、石破茂首相に対する自民党内の辞任要求に対し「笑止千万」と一蹴し、同党の政治姿勢こそが問題だと強く批判しました。

ざっくりPOINT
石破首相は歴史認識で一定の評価
福島氏、自民党内の批判に反論
旧安倍派の政治責任を追及
報道の詳細

社民・福島党首、石破首相を「歴史修正主義者ではない」 自民内の辞任要求を「笑止千万」

社民党の福島瑞穂党首は23日の記者会見で、参院選で大敗した石破茂首相(自民党総裁)について「責任を取って辞めるべきだ」とする一方、「歴史修正主義者ではない」と一定の評価をし、「自民党政治の問題だ」として同党内の「石破降ろし」の動きを批判した。

福島氏は「石破首相は、この10年ほどの首相の中では歴史修正主義者ではない、珍しい首相だった」との認識を示した上で、「なぜ石破さんが政策をやれないかというと、自民党の負の歴史を背負わされているからだ。選択的夫婦別姓をやりたいとか、核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバー参加したいという意思を持っても止められた」と指摘した。

さらに「旧安倍派を中心にした裏金問題、政治とカネの問題も続いている。『石破辞めろ』と足を引っ張っている人たちには旧安倍派も多いが、『あなたたちのせいでこうなっている』と言いたい。笑止千万、ずうずうしい。石破さんは責任を取るべきだが、もっと責任を取るべきはあなたたちのほうではないか」と述べた。

社民党を巡っては、比例代表で初当選したラサール石井氏が自身のX(旧ツイッター)で「ここ最近の自民党の首相では一番まとも」などと首相の続投を支持する投稿を行っている。

https://www.sankei.com/article/20250724-NOCYLWTTPBHWBHVHZ2YM3DIFBA/?outputType=theme_election2025

石破政権と保守派の深い対立構造
石破茂首相は、選択的夫婦別姓や核兵器禁止条約への関与を模索するなど、保守政党の中では比較的リベラル寄りな姿勢を示してきました。

こうした政策姿勢が、旧安倍派を中心とした保守強硬派と対立し、党内では長年くすぶっていた「石破外し」が再燃しています。

福島党首が指摘した通り、石破首相が政策実行に苦しむ背景には、党内の権力構造と保守勢力の抵抗があるとされます。

この構図は、単なる人気や実績ではなく、政治理念の対立が根底にあることを示しています。

求められるのは説明責任と政治倫理
福島氏の発言は、辞任論の妥当性ではなく、その背景にある自民党内の責任の所在を問うものでした。

とりわけ旧安倍派に関連する裏金問題や政治資金の不透明性が浮き彫りとなる中、石破首相に責任を押し付けようとする動きに対して「ずうずうしい」と切り捨てたのは、政治倫理の視点からの指摘でもあります。

石破氏自身の進退以上に、党内で問題を引き起こしてきた勢力の説明責任が今こそ問われており、国民の政治不信を解消するためにも、責任の所在を明確にする姿勢が求められています。