内装工事の仕上がり巡りトラブルに… 取引先の男性を約3カ月監禁・暴行、建築会社代表(24)の男ら7人逮捕

取引先企業の男性を約3か月間にわたり監禁し、金づちで指を叩いたり熱湯をかけるなどの暴行を加えたとして、男7人が警視庁に逮捕されました。

ざっくりPOINT
ホテルやトランクルームなど10か所以上で監禁
ろっ骨骨折や化膿、栄養失調などの重傷
金銭トラブルが犯行の発端か

【速報】男性を約3か月監禁・暴行継続したか 内装業の男ら7人逮捕 男性はろっ骨骨折・栄養失調発症-警視庁

取引先に勤務する男性(30代)を、約3か月間監禁したうえ、金づちで指をたたき、熱湯をかけるなどの暴行を加え重傷を負わせたとして、男7人が警視庁に逮捕されたことがわかりました。

逮捕監禁致傷の疑いで逮捕されたのは、内装業の大城優斗容疑者(24)や職業不詳の大城海人容疑者(25)、本谷拓磨容疑者(24)ら7人です。

捜査関係者によりますと大城容疑者ら7人は共謀して、2025年1月から4月にかけて、取引先に勤務する男性(30代)を東京都などのホテルに監禁して、暴行を継続して加え、全治2か月から6か月の重傷を負わせた疑いが持たれています。

■3か月間もの間監禁か
大城容疑者らは、東京・豊島区の路上で男性を車に無理やり押し込み、手錠をかけるなどして東京・板橋区のトランクルームや近県のホテルなど10か所以上連れ回し、3か月間もの間監禁していたとみられています。

■執ように暴行・栄養失調に
また、7人は、

▼指を金づちでたたく
▼熱湯をかける
▼全身を殴る蹴る

こうした暴行を継続的に繰り返し、男性はろっ骨が数カ所折れ、右すねが化のうしていたうえ栄養失調を発症していたということです。

■男性に電話させ隠蔽工作か
この事件は、2025年4月に関係者が、警視庁に相談したことで、捜査が開始され、7人の関与が浮上したということです。

警視庁は2025年4月30日の午後7時頃に、東京・豊島区で男性を保護していましたが、その日の朝に、男性は自身の家族に対してビデオ通話で「自分は大丈夫だから」などと伝えていたということです。

警視庁は、大城容疑者らが逮捕をまぬがれるために男性に家族に向けて電話をさせるなどして、隠蔽を図ったとみています。

■金銭トラブルが原因か
事件を巡っては、被害男性が勤務する会社が大城容疑者の会社に内装の施工を依頼しましたが、施工に不備があったため、それを指摘すると、大城容疑者らは認めずに、逆に追加料金を求めるなどしたうえで犯行に及んだとみられます。

警視庁は、施工を巡るトラブルが動機とみて詳しい経緯を調べています。

https://news.livedoor.com/article/detail/29182691/

企業間トラブルが暴力事件に発展するリスク
今回の事件は、業務上のトラブルが深刻な暴行事件に発展した異例のケースといえます。

内装業の発注ミスや施工不備は、民事訴訟で解決されることが一般的ですが、本件では加害者側がそれを拒否し、実力行使に及んだとされています。

企業間の金銭トラブルが私的制裁に転じる背景には、契約書の不備や業務体制の脆弱さ、さらには加害者側の反社会的な思考が影響している可能性もあります。

特に建設・内装業界では、口頭契約や不透明な費用請求がトラブルの火種となりやすく、こうした事案が刑事事件に発展するリスクがあることを示しています。

被害者保護と再発防止の視点が求められる
今回の事件で警視庁は、関係者の通報を受けて迅速に動き、被害者の保護に成功しました。

しかし、男性がビデオ通話で「大丈夫」と話していたように、加害者の指示で虚偽の安全を伝えるなど、事件の発覚を防ぐ狡猾な隠蔽工作が行われていました。

このような長期監禁・暴行事件では、被害者が逃げ出すことが困難であるため、周囲の人間が違和感を察知し、通報する仕組みづくりが重要です。

また、再発を防ぐには業界全体の契約トラブル対策や、暴力による私的制裁のリスクについて啓発する必要があります。

警察は全容解明を進めるとともに、同様の事件を未然に防ぐための法的・社会的整備が求められます。