河口湖で富士山の眺望確保のため樹木を無断伐採し逮捕された中国人、助成金の不正受給(3,800万円)も発覚… 初公判で「娘は日本の大学を受験。私も家族も日本国籍を取得したい」

河口湖のホテル経営者が富士山の眺望確保のため無断で樹木を伐採し逮捕された事件で、新型コロナ助成金3800万円の不正受給も行っていたことが明らかになりました。

ざっくりPOINT
富士山の眺望を遮る木を無断で23本伐採
助成金を受けつつ従業員は通常勤務、出勤記録も存在
伐採は器物損壊罪、旅館業法違反で営業停止の可能性も

 山梨県の河口湖で富士山の眺めを遮る樹木が、所有者に無断で伐採された事件です。逮捕・起訴された中国人のホテル経営者は初公判で起訴内容を認めたうえで、日本国籍を取得したいと情状酌量を求めました。

【画像】無断で伐採された樹木 実行役に“厚みのある封筒”を渡す中国人被告

初公判…中国人被告「全責任は私に」
 2020年に山梨県の河口湖畔に開業した「雲ノ上富士ホテル」。その2年後、ホテルから見える富士山の絶景を遮っていた、隣の敷地の樹木が所有者に無断で伐採されました。

 実行役に犯行を指示したのは、ホテルを経営していた「秋山雅治」こと中国国籍の郭亜川被告(53)です。8日、甲府地裁で開かれた初公判。黒いスーツ姿で現れた郭被告は犯行をすべて認めました。

「すべての責任は私にある。一時的な衝動で判断を間違えてしまった」

 裁判中、郭被告が証言台に立った女性と見つめ合い、2人同時にうなずく瞬間がありました。郭被告の妻です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/af0ecbd992e8466b7256ba7d9311a884891ece5f

コロナ禍で多発した助成金の不正受給
新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた企業への支援策として支給された「雇用調整助成金」は、本来ならば休業中の従業員への賃金を補填する目的で支給されます。

しかし、実際には事業を継続しながら助成金を不正に受け取るケースが全国的に多数確認されています。

特に宿泊業界や飲食業界では、実態のない休業報告が目立ち、厚生労働省は過去に数百件の不正事案を公表しています。

こうした不正は制度そのものへの信頼を損ない、まじめに経営努力をしている事業者にも悪影響を及ぼします。

今回のケースもその典型例であり、不正が常態化していた可能性が指摘されています。

「富士山ビジネス」のモラル欠如が浮き彫りに
富士山を望む好立地に目をつけ、景観を売りにしたビジネス展開は観光業ではよくある手法です。

しかし、それが法律を無視して行われた場合、観光地の環境と住民との信頼関係を破壊しかねません。

河口湖周辺では、景観や自然保護のために厳しい条例が存在し、私有地であっても勝手な伐採は禁じられています。

今回の事件は、富士山の魅力を商売の手段としてのみ利用し、地域との共存を軽視した経営姿勢が露呈したものです。

国籍や居住地にかかわらず、日本の自然や文化を利用するすべての事業者に対し、法令遵守と地域社会への敬意が求められます。