日本の島が“買われる”現実… 笠佐島で進む中国資本の影響拡大

国人による山口県・笠佐島の土地買収が進み、生活インフラ整備や別荘建設が進行していることで、地域住民の間で安全保障上の懸念が広がっています。

ざっくりPOINT
山口県の笠佐島で中国人による土地取得が進行
中国人投資家の間で瀬戸内海エリアの人気が高まる
自衛隊基地や米軍基地の近接が安全保障上の懸念に

瀬戸内に浮かぶ人口7人の笠佐島に「中国資本」 土地取得規制はザル法「実質侵略だ」

中国資本による日本国内の不動産買収が止まらない。瀬戸内海では笠佐島(山口県)の一部を中国人が取得した。別荘目的で、林道(町道)を整備、電柱が敷設され生活環境が整いつつある。土地見学に来島する中国人の姿もみられ「島全体が中国人に買い占められるのではないか」と不安を口にする島民もいる。中国人の瀬戸内海への関心は高く、広島市沖の離島でも不動産を買い求めるケースが増えているという。

笠佐島は周防大島の小松港から西へ約2キロ離れた瀬戸内海に浮かぶ。県のホームページ(HP)によると、広さ94万平方メートルで島民は5世帯7人。小松港から1日3~4往復する連絡船が本土との唯一のパイプだ。

5月初め、島の船着き場から東西に走る林道を歩いて島の反対側に向かった。林道は整備され、歩くのが苦にならない。真新しい電柱が並ぶ。米軍岩国基地の航空機の飛行航路に当たり頭上で時折爆音が響く。上り下りを繰り返し約45分。森林を抜けると木々が伐採された空間が広がる。中国人が購入した土地で電柱が2本確認でき、工事用重機が放置されていた。

登記簿などによると購入された土地は2筆で計3651平方メートル。仲介した山口県周防大島町の不動産業者によるとHPに掲載した「分譲」情報を見た中国人男性から問い合わせがあったという。

https://www.sankei.com/article/20250725-7VKUC5KRZ5M2PLYRBDNGKZX53E/

外国人による土地取得を巡る現状
日本では、1994年のWTO協定(GATS)締結により外国人も日本人と同様に不動産を取得できると明記され、外国資本による土地取得に大きな制限は設けられていません。

これにより、瀬戸内海や北海道、長崎などの国境離島周辺でも中国人をはじめとした外国人による土地購入が相次いでいます。

一方、オーストラリアやカナダ、韓国など多くの国々では、外国人の不動産購入に制限を設けたり、特別な税金を課したりしています。

日本では2022年に「重要土地等調査法」が施行されましたが、規制の実効性は限定的とされています。

懸念が高まる国家安全保障との関係
笠佐島は自衛隊や在日米軍の重要拠点が集まる瀬戸内海に位置しており、安全保障上の要衝です。

こうした地域での中国資本による土地取得は、将来的にドローン基地や監視拠点として「利用」されるリスクも否定できません。

中国には「国家情報法」や「国防動員法」が存在し、国外であっても中国政府が自国民やその資産の利用を求めることができる法制度があります。

現時点で法的に問題がなくとも、周辺住民の不安や国としての備えは看過できない段階に入りつつあります。