高齢芸能人の光と影…「ピーコ万引き報道」の一方で“アホの坂田利夫”は80代の今も舞台に

0 Shares

かつて辛口コメントでテレビを沸かせた一卵性双生児のタレント「おすぎとピーコ」。兄で服飾評論家のピーコ(78)について、「突然、姿を消して行方不明」と「週刊女性」が報じたが、TBS系「サンデージャポン」の取材で、高齢者施設に入居していることが判明。しかし、それもつかの間、「NEWSポストセブン」によると、施設に入る前にピーコは万引きで逮捕されていたという。

「弟のおすぎ(78)が高齢者施設に入ってから、残されたピーコは認知症気味になっていた。最近は徘徊も目撃されていたようです。それにしても、毒舌キャラで視聴者に愛され、自分にも厳しかったピーコが、万引きで逮捕されていたのはショックです」(芸能ライター)

かつて一世を風靡したタレントでも、高齢になると世間に姿を見せなくなることがほとんどだろう。大手プロに所属していたり、面倒を看てくれる家族がいればいいが、もし仮に老後、身寄りがなくカネに困っていたとしたら、かつて栄華を誇っただけに哀れだろう。

21年4月1日から高齢者の働き方改革として改正高年齢者雇用安定法(70歳就業法)が施行された。

約6000人ものお笑い芸人が所属する吉本興業の担当者は、当時、高齢芸人について「若いうちはギャラは安いですが、年を取っても面倒を看るのが伝統なんです。昔から、高齢芸人を優遇してます。吉本のレジェンド芸人の坂田さん然りです」と語っていた。

今年3月「居場所」(サンマーク出版)を出版した大﨑洋会長は、高齢の芸人について筆者にこう語っていた。

「みんな元気ですけどね。坂田さんは今も舞台に立っています」

■老後の生活を左右するカネとヒト

“アホの坂田”として一世風靡した坂田利夫(81)は、今も舞台にも上がっているという。

「なんばグランド花月で自動販売機の缶ジュースを買いに来ている人に『お前、なんちゅうコンビや?』、『いや、僕はコーラ買いに来てるだけです』、『お前みたいな芸人、まだ見たことない、誰や!』なんて話していて。それが舞台に上がったりすると、あんな芸風ですから、お客さんにはボケてはんのか、ギャグやっているのか、わからへんのですよ。それでようウケるんです(笑)。そのリアクションを受けて坂田さんもパーっと元気になって、『今日の客、ええなあ』って。坂田師匠を見習わなあかんなと言っているんです」

冒頭で言及したピーコは一昨年、TOKYOMXの情報バラエティ番組「5時に夢中!」で、「あの人がちょっと具合が悪くなって面倒を看てやらなければならないとダメなの」と告白。“あの人”とは、弟で映画評論家のおすぎのことだ。

「おすぎは、昨年5月にピーコとの同居生活を解消して、高齢者施設に入居したと報じられました。ピーコ自身も78歳ということもあって健康状態が心配された。最近になって、誰もいないのに自宅のエアコンだけでなくテレビもついていたことから、突然、行方不明と騒がれたのです」(前出・芸能ライター)

そのピーコも結局、高齢者施設に入居していることが確認されたという。

「認知症気味で、身寄りもなく施設に入ったという話を聞いて、いたたまれなくなりました。大手プロダクション所属でもなく、面倒を看てくれる家族もなく、蓄えもないような高齢の芸能人には他人事とは思えません」(70代の俳優)

芸能人の場合、稼いだカネをどれだけ蓄えて、周囲の人間関係にも恵まれているかが、老後の生活を左右する。一般人にとっても、それは決して他人事ではないだろう。

(本多圭/芸能ジャーナリスト)

0 Shares