2026年6月7日に放送された読売テレビの討論番組「そこまで言って委員会NP」において、女性学研究者で元参院議員の田嶋陽子氏(85)が、高市早苗首相の政治姿勢を巡り痛烈な持論を展開した。
番組では、ジャーナリストの石原伸晃氏が予測する「ポスト高市」の動向をテーマに議論が進行。その中で田嶋氏は、現職の高市氏をあえて「ポスト高市」の筆頭に挙げ、独自の分析を披露した。
「自民党の男には可愛くて仕方ない」田嶋氏が投じた波紋
田嶋氏はまず、「女性の総理大臣が誕生したことは非常におめでたいこと」と一定の評価を示しつつも、その政治的本質については極めて厳しい視線を向けた。
- 田嶋陽子氏が高市首相を「男社会に過剰に適応し、男性議員に可愛がられる存在」と批判
- 橋下徹氏は田嶋氏の主張に対し「その論法は絶対にやってはいけない」と強く異議を唱えた
- 女性リーダーの評価軸を巡り、政策の是非か属性の適応かという本質的な議論が再燃
- SNS上では田嶋氏の視点を「時代遅れ」とする声と「核心を突いている」とする声で二分
「あれだけ自民党のエッセンスを生きている人はいない。高市さんは悪く言えば、自民党、あるいは男社会に過剰に適応した人だ」と田嶋氏は断言した。

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さらに、高市氏が選択的夫婦別姓に反対している点などを挙げ、「高市さんはあらゆる面で自民党の男性と同じ考えを持っている。政治家としては自民党の中でプリンシプル(原理原則)を守っている人だ」と指摘。
その上で、「自民党の男の人にとっては、かわいくてしょうがない存在なのではないか」と述べ、高市氏の支持基盤が男性中心の組織論理に根ざしていると分析した。
この発言に対し、即座に異議を唱えたのが元大阪市長で弁護士の橋下徹氏(56)である。
橋下氏は、田嶋氏が長年積み上げてきた女性解放運動などの実績に敬意を払いつつも、今回の高市評については「いまの論は絶対にやってはいけないと思う」と強い口調で否定した。
橋下氏は、高市氏の政治姿勢はあくまで「政策面での一致」によるものだと主張。「僕も選択的夫婦別姓には賛成だが、高市さんは政策として自民党の保守的な方向に寄っているだけだ」と述べた。
つまり、女性だから男社会に迎合しているという見方は、個人の政治的信念や政策判断を軽視するものであり、議論として不適切であるという立場を明確にした形だ。
政策か属性か――橋下氏が危惧する「議論のすり替え」
この両者の応酬は、放送直後からインターネット上でも大きな議論を巻き起こしている。
SNS上では「田嶋氏の言う通り、組織の論理に染まりすぎている」と共感する声がある一方で、「評価軸が昭和のままアップデートされていない」「人格否定に近い」といった批判も相次いでいる。
初の女性首相という歴史的転換点を経てもなお、その評価を巡っては「女性としての属性」と「政治家としての政策」のどちらを重視すべきかという、根深い対立が浮き彫りとなった。
田嶋氏が投げかけた「過剰適応」という言葉は、日本の政治界におけるジェンダーバイアスの根深さを問い直すものとなったが、橋下氏が指摘するように、それが正当な政策批判を阻害する「禁じ手」となる危うさも孕んでいる。
高市政権の行方とともに、リーダーシップのあり方を巡るこの論争は、今後も日本の言論空間において重要なテーマであり続けるだろう。