【栃木】処理する機器の配線盗まれ“浄化機器”停止… 川へ汚水流出

栃木県小山市と野木町の排水処理施設で配線が盗まれ浄化機器が停止し、処理不十分な汚水が渡良瀬川に流出しました。

ざっくりPOINT
13日夜に小山市の施設で停電が発生
業者が調査し配線の盗難を確認
翌14日に野木町の施設でも盗難を確認
報道の詳細
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排水処理施設の盗難被害と環境リスク
今回の配線盗難による浄化機器の停止は、河川環境への影響が懸念される事例です。

渡良瀬川は栃木県から群馬県、埼玉県を経て利根川へ合流する流域の大河川であり、農業用水や生活用水として広く利用されています。

そのため処理不十分な汚水の流出は、地域住民の生活や生態系への影響が大きく、早急な調査と対応が必要となります。

近年、銅線などの金属資材の高騰を背景に、インフラ設備や建設現場での配線・金属部品の盗難が全国的に報告されています。

電線は転売や海外への不正輸出によって現金化されやすいことから、狙われやすい対象になっています。

特に排水処理施設や送電施設は人の出入りが少なく、防犯体制が十分でない場合も多いため、被害が発覚するまでに時間がかかるという課題があります。

こうした事件は単なる財産被害にとどまらず、公共インフラの機能を停止させ、社会全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

例えば電力施設や上下水道設備で同様の被害が発生すれば、広範囲に停電や断水を引き起こしかねません。

今回の渡良瀬川への流出はその危険性を示す具体的な事例であり、防犯カメラやセンサーによる監視強化、施設の施錠管理の徹底、金属スクラップ取引の厳格化など、包括的な対策が求められています。

また、環境保護の観点からも監視体制の強化は急務です。

川の水質汚染は一時的であっても生態系に影響を及ぼし、回復に時間がかかる場合があります。

今回の事件をきっかけに、インフラ保全と環境保護を両立させる新たな仕組みづくりが必要とされています。

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国土交通省関東地方整備局は17日、栃木県小山市と野木町の排水処理施設から、浄化処理が不十分な汚水が渡良瀬川に流出したと発表した。処理する機器の配線が盗まれ、停止したことが原因。整備局は、13日夜から14日朝にかけ流れ出ていたとみて、川の水質への影響を調べている。

 整備局によると、13日夜に小山市の施設で停電が発生し、原因を調べた業者が、配線がなくなっていることに気付いた。野木町の施設でも翌14日に判明した。両施設は約2キロの距離。

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