中国が上海協力機構(SCO)首脳会議を通じて国際的な安定と平和の促進を訴え、覇権主義や武力政治への批判を強めています。
ざっくりPOINT
中国が8月31日から9月1日に天津でSCO首脳会議を開催
劉彬外務次官補が20人以上の外国首脳の出席を発表
劉氏が覇権主義と武力政治を批判し、国際協力の必要性を強調
報道の詳細
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多極化を推進する中国の戦略とSCOの役割
上海協力機構(SCO)は、中国とロシアが主導し、中央アジア諸国やインド、パキスタン、イランなどを含む10か国が加盟する地域協力機構です。設立以来、安全保障や経済、文化など幅広い分野での連携強化を目指してきました。中国はこの枠組みを、西側主導の国際秩序に対抗する多極的勢力の中心と捉えており、加盟国間の連携を戦略的に活用しています。
今回、天津で開催される首脳会議には、ロシアのプーチン大統領やインドのモディ首相をはじめ、20人以上の首脳が参加を予定しており、中国が掲げる「安定と平和の促進」というメッセージに国際的な注目が集まっています。習近平国家主席が基調講演を行う中で、中国の国際的立ち位置やSCOの今後の方向性が示されると見られています。
中国の劉彬外務次官補は、「今日の世界では、覇権主義と武力政治という時代遅れの考え方が依然として影響力を及ぼしており、一部の国は自国の利益を他国よりも優先しようとし、世界の平和と安定を深刻に脅かしている」と述べ、アメリカを暗に批判しました。さらに、「国際情勢が複雑化し、激動するほど、より多くの国々が連帯と協力を強化し、共通の発展を促進する必要がある」とも発言しており、多国間協力の重要性を強調しています。
SCOを通じて、中国は経済、安全保障、外交の分野でアメリカとの対立軸を築きつつあります。中でも中央アジアを含むユーラシア地域での影響力強化は、「一帯一路」構想とも連動しており、SCOの役割は今後さらに拡大する可能性があります。加盟国間には対立や課題もありますが、中国はこの枠組みを活用して、自国中心の国際秩序づくりを進めようとしています。
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8月22日 AFP】中国は22日、20人以上の世界首脳が参加する上海協力機構(SCO)首脳会議が安定と平和を促進すると喧伝(けんでん)し、「覇権主義と武力政治」を批判した。
上海協力機構(SCO)首脳会議は8月31日~9月1日、中国北部・天津で開催される。その数日前には、首都北京で第2次世界大戦終結80周年を記念する大規模な軍事パレードも予定されている。
中国は長年、SCOを西側主導の勢力圏に対抗する勢力圏として位置づけ、加盟10か国間の連携強化を訴えてきた。
中国外務省の劉彬外務次官補は22日の記者会見で、SCO創設以来最大となるサミットには、インドのナレンドラ・モディ首相やロシアのウラジーミル・プーチン大統領を含む20人以上の外国首脳が出席すると述べた。
ベラルーシ、イラン、カザフスタン、パキスタン、トルコ、ベトナムなどの加盟国や招待国の首脳の他、国連のアントニオ・グテレス事務総長をはじめとする国際機関の代表も出席する。
サミットでは習近平国家主席が基調講演を行う予定だ。
劉氏は、中国はこのサミットを通じて「協力を促進し、SCOの安定性と強靭性を活かして、国際環境における不確実で予測不可能な要因に対応したい」と主張。
https://www.afpbb.com/articles/-/3594578
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