特別検察官は2025年7月18日、尹錫悦前大統領の妻・金建希氏に贈られた高額プレゼント疑惑の捜査の一環として、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の教団本部を家宅捜索しました。
ざっくりPOINT
尹前大統領の妻が旧統一教会側から高級ネックレスやバッグを受け取った疑い
捜査は金建希氏を通じた政界への影響工作や贈収賄の観点も捉え
教団トップや元幹部も賭博疑惑など複数の不正行為で捜査対象に
【ソウル共同】複数の韓国メディアによると、尹錫悦前大統領の妻を巡る不正疑惑を捜査する特別検察官は18日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の教団本部を家宅捜索した。
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教団を巡る過去の疑惑との関わり
旧統一教会はこれまでも韓国で政治と宗教との癒着の象徴として問題視されてきました。
2022年には教団幹部がラスベガスでの賭博による資金の不正流用疑惑が浮上し、警察や検察が幹部宅などを家宅捜索しました。
今回の捜索は、金氏と深い関係にあるとされる呪術師を介して、教団の資金や人脈が政治に還流していた可能性も視野に入れられています。
さらに、先月には教団トップの韓鶴子総裁にも不正賭博の疑いがかかっており、金氏の贈答品疑惑と並行して捜査が進んでいます。
これらの一連の動きは、2024年の尹氏による非常事態宣言やクーデター未遂と関連づけられ、韓国国内では政治と宗教の癒着に対する警戒感が高まっています。
捜査の行方と今後の焦点
尹家と教団経済の接点、特にカンボジア事業への政府支援など贈答品の背景にある政治的見返りの有無は、請託禁止法違反に該当する可能性があります。
特別検察官の捜査チームは、金氏個人だけでなく教団上層部や政界とのネットワークにまで踏み込み、証拠の積み上げを進めています。
韓国では今年6月に亡命・逮捕された教団関係者の証言も取りまとめられており、今後の法的追及はより広範囲かつ深刻な影響をもたらすことが予想されます。
この家宅捜索は単に金建希氏の贈答品問題にとどまらず、宗教と政治の癒着構造、教団の資金が政治的活動にどう活用されたかという構造的な問いを投げかけています。
今後の捜査次第では、韓国政界全体の信頼性や制度改革にも影響を及ぼす可能性があります。
韓国社会は、教団と政治の関係性をどう整理し直すかという歴史的な岐路に立っているといえるでしょう。