不良グループ「ルシファーズ」、リーダーの小田切被告(47)が解散届

名古屋市の不良グループ「ルシファーズ」が愛知県警熱田署で解散式を行い、約30人のメンバーが更生を誓いました。

ざっくりPOINT
暴走族文化、今も地方に根強く
警察署での解散式は異例
SNSでは賛否両論の声

傷害や窃盗などで多数の逮捕者を出してきた名古屋市の不良グループ「ルシファーズ」の解散式が6日、愛知県警熱田署で開かれ、10~50代のメンバー約30人が更生の決意を表明した。「今後一切周りに迷惑をかけない」と誓い、鈴木正樹署長は「それぞれの道で仕事や勉学に精進してほしい」と応じた。

県警によると、ルシファーズは平成8年ごろ、10代の少年らが結成。最盛期は約500人の勢力があり、リーダーの小田切大作被告(47)=傷害罪などで公判中=の下、暴行や恐喝を繰り返した。取り締まりの強化で一時衰退したが、近年活動を再開。昨年5月以降、他のグループとの抗争などで25人が逮捕され、小田切被告は同12月、県警に解散届を出した。

解散式に出席した男性(19)は取材に「周囲に迷惑をかけ申し訳ない。今後は、とび職の仕事をがんばり、恩返しできれば」と語る。好奇心でグループに入り「健全な友人が離れてしまった」という男子高校生(15)は「学校もバイトも継続し(更生を)行動で示す」と決意した。

https://www.sankei.com/article/20250706-XKM7SOOZCBJMNCS2M2CWCM7BPU/

50代不良グループの異色な解散劇
暴走族や不良グループの解散は過去にもたびたび報じられてきましたが、今回の「ルシファーズ」の事例は異例と言えます。

結成は1996年ごろとされ、最盛期には500人規模にまで膨れ上がったという規模もさることながら、現役メンバーに50代が含まれていたことに驚きの声が広がりました。

暴力団とのつながりが疑われるケースも多い中、今回のように警察署での正式な解散式が行われたことは異例であり、一定の意義がある一方、Xでは「大人になれよ」「自営業でがんばって」など冷ややかな声も多数見られました。

暴走族文化は減少傾向にあるものの、地方都市を中心に根強く残っていることも示唆しています。

更生は可能か、社会の目は厳しいまま
メンバーは「今後は迷惑をかけない」「仕事をがんばる」などと語っていましたが、社会復帰への道は簡単ではありません。

とび職やアルバイトといった職種に就く若者も見られる一方、再犯や社会的孤立のリスクも残ります。

更生支援の制度や就労支援が整っていない現状では、言葉だけではなく継続的な支援と行動が求められます。

Xなどでの辛辣な反応も、長年にわたり社会に与えてきた迷惑への批判の表れと言えるでしょう。