【爆増】日本のコメ輸入量、 前年同期比で約60倍
国産米の価格高騰を背景に、2025年1〜5月の民間による米の輸入量が前年同期比で約60倍に達し、過去にない規模で外国産米の流通が広がっています。
ざっくりPOINT
1〜5月で2万トン弱、過去最大規模の輸入量
関税込みでも国産米より割安なケースも
業務用から家庭向けへ販路が拡大中
ネット上のコメント
■JAが望んだ通りに米価は釣り上がったけど、外食は米国産米に切り替えて消費者は米離れ。
生産者は長期的にメリットがあったのかどうか、微妙ですね。
■こんな目先ばかりの考えだから国が貧しくなる。
■さんきゅー小泉進次郎
■米がないじゃなくて、安いコメがないだからなぁ
■飲食大手はもう個人で輸入し始めてるからね
■アホが急激に値上げするからやろ
■もう安い輸入米でいいや
崩れ始めた「国産米=前提」の構造
かつて日本の米市場は国内産を絶対とする構造でしたが、ここにきてその前提が大きく揺らいでいます。
背景には複合的な要因があります。
まず、国内米価の高騰です。
2024年の不作や物流費の上昇に加え、JAなどの買い取り価格引き上げが市場価格に波及しました。
一方で、国際価格は比較的安定しており、関税(1キロ341円)を加えても、輸入米が割安に見える状況が生まれています。
特に、飲食店や外食産業では価格転嫁が難しく、安価な輸入米への切り替えが進行中です。
さらに、米国産の「カルローズ」や台湾産などが家庭用としても店頭に並ぶようになり、日本の食卓でも多様化が進んでいます。
日本農業の保護と競争力のバランスが改めて問われる局面に入ったと言えるでしょう。
米の民間輸入2万トンに 1~5月、前年比60倍ペース
財務省が27日に公表した貿易統計で、5月の民間貿易による米の輸入量が前月比5割増の1万607トンに上ることが分かった。単月の過去最高を記録。米国産を中心に輸入量が急増し、1~5月の累計は1万9628トンと前年同期比で約60倍のペースだ。
米国産米を手に取る客(東京都江東区で)
民間貿易での米輸入は高額な関税(1キロ341円)がかかるため、これまでの輸入量は限定的だった。ただ、2025年は国産米の価格が急騰し、「関税を払っても輸入米の方が割安」(大手米卸)として、輸入米の引き合いが急増。業務用だけでなく、大手小売りが米国産「カルローズ」を売り出すなど、家庭向けにも広がった。
5月の輸入量を国別に見ると、米国が最多の7894トンで、台湾が909トン、タイが578トン、ベトナムが500トンと続いた。米国産米だけでなく、台湾産米が5キロ3880円ほどで家庭向けに売られる例が増えている。
5月までに輸入された米の多くは、政府備蓄米放出が決まる前に注文されたものとみられる。直近は割安な備蓄米の本格販売が始まった。「スーパーで外国産米の売れ行きが悪化してきた」(流通業者)というが、6月以降も、既に注文済みの外国産米を中心に一定量が輸入される見通し。
転換期を迎える米流通と消費者の選択
輸入米の急増は一過性ではなく、構造変化の始まりとも受け取れます。
政府備蓄米の放出で一時的に外国産米の販売は落ち着くかもしれませんが、既に契約済みの輸入米が続々と市場に出回ることは確実です。
この中で問われるのは、消費者が「価格」を選ぶのか、「国産」という価値を重視するのかという選択です。
農業従事者の高齢化や後継者不足が続く中、国産米の生産を維持するにはコスト増が避けられません。
政府による支援策の再検討も不可避となるでしょう。
一方で、外食産業や量販店は価格競争の最前線に立たされており、輸入米への依存は今後さらに進む可能性があります。
今、日本の米市場は、価格と品質、保護と自由化という多くのジレンマを内包した、歴史的な転換点に立っています。