県みやま市の小学校で給食中に児童がウズラの卵をのどに詰まらせ死亡した事故を巡り、遺族が市に対して6000万円の損害賠償を求めて提訴しました。
ざっくりPOINT
ウズラの卵による窒息死で損害賠償提訴
文科省や小児科学会も危険性を指摘
過去にも給食中の窒息事故が複数発生
繰り返される給食事故と見直されるべきリスク管理
今回の事故は、文部科学省や日本小児科学会が指摘する「のどに詰まりやすい食品」が給食に使用されたことが背景にあります。日本旅行
特に小学校低学年では咀嚼力が未発達であるため、丸い食材は高リスクとされています。
現在、各学校や自治体におけるリスク管理や見守り体制は一律ではなく、教員任せとなっている実態があります。
窒息リスクのある食品の使用制限や、明確な指導マニュアルの策定が早急に求められます。
命を守る教育現場の責任と制度の課題
教育現場は子どもの命を預かる責任がある一方で、日々の業務は多忙を極めています。
今回の事故を通して、学校や教育委員会が事前にどのようなリスク管理を行っていたのか、また事故後の対応や説明責任に対して保護者の不信感が強く表れています。
再発防止策として救命講習の拡充が挙げられましたが、それだけでは不十分です。
学校現場には、食品選定のガイドラインや給食時の監視体制、緊急対応の即応体制など、より具体的かつ実行力のあるルールの導入が必要です。
今後、事故を未然に防ぐために制度全体の見直しが迫られています。
小1男児が給食のウズラの卵で窒息死した事故 遺族がみやま市を提訴
【速報】「大事な息子を返して」給食のウズラの卵で小1男児が窒息死 遺族がみやま市を提訴 6000万円の慰謝料を求める 福岡
福岡県みやま市の小学校で、男子児童が給食をのどに詰まらせ死亡した事故を受け、遺族は6日、市を相手取り、6000万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
午後2時から、児童の父親が弁護士とともに会見を開きました。父親は「大事な息子を返してくれ。息子は夢や希望がたくさんありました。なぜ息子が死ななければいけなかったのか。十分納得できる説明を受けていない。ちゃんとした謝罪も受けていない」と提訴に至った思いを語りました。
当時、小学1年生の児童は2024年2月26日の給食時間に「みそおでん」に入っていたウズラの卵をのどに詰まらせ死亡しました。
訴えでは、ウズラの卵は給食の食材として禁止されていないものの、文部科学省が発行する「食に関する指導」(2019年改訂版)で「丸い形状のものは、のどに詰まる危険性が高い」とされていて、日本小児科学会も「窒息につながりやすい食品」として、ブドウやミニトマトとともに、ウズラの卵を挙げているとしました。
実際に、大阪でも2015年に小学生が死亡した事故があるとして、ウズラの卵を使うときは、教員は子どもたちがのどに詰まらせることのないよう、事前に丸のみしないよう食べ方を注意し、教室内で十分に目配り、観察すべき注意義務があったと主張しています。
学校給食での死亡事故は、過去に相次いでいます。2010年には栃木県真岡市で、小学1年生が給食の白玉をのどに詰まらせて意識不明となり、2013年に死亡しました。
2015年には大阪市の小学1年生がウズラの卵をのどに詰まらせて亡くなり、2021年には新潟県佐渡市で小学5年生が給食のパンをのどに詰まらせ死亡しています。
文部科学省の「食に関する指導の手引」には、給食時の窒息事故防止について項目があります。しかし、「よくかんで食べるよう指導する」「担任が注意深く様子を観察する」といった記載にとどまっていて、実際の指導や見守りの方法は現場に任せられています。
事故を受けて、みやま市教育委員会が設置した調査委員会は2024年12月、再発防止策をまとめました。その中では、教員を対象とした救命講習を拡充することなどを求めています。