華字メディア・日本華僑報は11日、「韓国はなくしたのに、日本はどうしてまだ漢字を残しているのか」と題する記事を掲載した。
記事は、「東アジア文化圏の日中韓は互いに気に入らない存在ではあるが、漢字で固く結ばれた長い歴史がある」と指摘。「かつて私が日本に来た時も『ありがとう、バカ野郎』以外のほとんど日本語が話せず、漢字に頼って生きてきた」とした上で、「憎らしいのは生来の反骨者である韓国が率先して精華である漢字を捨てていることだ」とした。
その上で、かつて一部の韓国のネットユーザーらが「われわれは漢字なしで生活できる。漢字は煩雑で後進的な物。世宗大王が言ったように、ハングルは容易に習得できるため、漢字よりハングルの方が完璧な表記システムだ」と主張したことを挙げる一方、「日本は中国文化を尊重しているためネガティブな感情はなく、漢字廃止を叫ぶ人もいない」と説明。「そのため日本語はより包容力を増し、豊かな表現手段を有することで極めて先進的な言語になる一方、ハングルはガラパゴス化している」と論じた。
また、「日本では知っている漢字の多さが文化レベルを表すとも考えられており、正確に使用することで周囲にプラスの印象を与えられる」とし、「日本は近代に無数の新たな言葉を生み出し、中国に“逆輸出”してさえもいる」と述べた。
記事は、「残念なことにわが国でも漢字の廃止をめぐって混乱したことがある」とし、魯迅が「漢字が滅びなければ中国が必ず滅びる」「漢字の難しさは多くの人民を、前進する文化から永遠に切り離している」などと述べて漢字廃止を主張したことに言及。「幸い、1950年代から中国では識字運動が展開され、識字率が大きく向上したことで、『漢字が識字を阻害する』というこの主張は理を失った」と説明した。
また、台湾や香港でも繁体字の識字率がほぼ100%にまで向上したことに触れる一方、「逆に韓国では漢字廃止の反動を実感したのではないか」と指摘。「韓国では現在、民間企業が戦時中の旧日本軍による慰安婦強制連行を証明する文書を非常に多く所持しているが、漢字が廃止されては人々は教科書に書かれた歴史こそが正しいと認識してしまう。李承晩政権とその後継者たちは、政府が外交問題を処理しやすいように教科書をでっち上げているのだ」と主張した。
そして、「このように一つの言語システムが激変すると、人民の知る権利が阻害されることになる。漢字廃止によって自国の文化や歴史を破壊するのは、まったくもって下策であることが分かる」と言及。「ハングルにも日本語にも中国語の語彙(ごい)が多数存在するため、漢字を取り除くとあいまいさなど意味の理解に支障をきたす」とし、韓国ではより多くの文字数を割いて漢字の欠落を補っているため「本末転倒」との見方を示した。
記事は、「日本はなぜ漢字を廃止しないのか、というのはまったくの偽命題であり、その必要がないからである。こう着語である日本語は大幅に文字数を削減し、文の認識度を上げ、情報伝達の効率を向上させている。これは、言葉の存在や消滅を考える際の最も基本的な基準ではなかろうか」と結んだ。(翻訳・編集/北田)