アメリカの米保守系テレビ局Fox Newsの看板番組『Fox & Friends』の生放送中、メインキャスターを務めるブライアン・キルミード氏が、路上生活者や精神疾患を抱える人々など社会的弱者への殺害を示唆する発言を行い、全米で激しい批判の嵐が巻き起こっている。
- 米保守系大手ニュース番組の生放送中、司会者のブライアン・キルミード氏がホームレスや精神疾患者に対し「致死薬注射でただ殺せばいい」と発言。
- 発言を捉えた動画はSNS上で660万回以上再生され、「即刻クビにすべき」「あまりに非人道的」と怒りの声が殺到。
- 事態の重さを受け、キルミード氏は4日後の放送内で「極めて無神経な発言だった」と釈明し、深く謝罪した。
問題の発言が飛び出したのは、9月10日の放送回だった。番組内では、精神疾患の診断歴がある容疑者がウクライナ人難民を殺害した事件について議論が交わされていた。

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生放送中の「致死薬注射」発言が拡散、スタジオ騒然とネット激震
共同司会者のローレンス・ジョーンズ氏は、支援を受け入れようとしない社会的弱者の現状を指摘。「政府は何十億ドルも投じてきたが、必要な支援を受けようとしない人が多い。選択肢を与えるべきではなく、支援を受けるか刑務所に入るかのどちらかだ」と持論を述べていた。
これを受ける形で、キルミード氏は不意に「それなら強制的に致死薬注射でもすればいい。ただ殺せばいい」と言い放った。共演者も一瞬言葉を失い、静まり返る場面が映し出された。
この発言を切り取った動画はSNS上に投稿されるやいなや瞬く間に拡散し、再生数は660万回を突破。社会的弱者を著しく軽視する暴言として、国民的な怒りを買い「即刻クビにすべきだ」「テレビで聞いた発言の中で最も衝撃的で非人道的」といった強い非難が殺到した。
SNS上では、当事者や遺族からの切実な訴えも相次いだ。あるユーザーは「PTSDに苦しむベトナム帰還兵の父の仲間を思うと、本当に心が痛む」と投稿。
また、シェルター経験のある別の市民は「99.9%の人はまともな支援施設を求めている。公共の場で冷静さを呼びかけるべき立場の大人が過激な言葉で破滅を招いている」と指摘するなど、発言の及ぼした傷痕の深さを物語っている。
事件は単なる「個人の失言」の枠を超え、アメリカ社会に根強く残る精神疾患や貧困層への偏見、そしてメディアが果たすべき人権意識の過剰な麻痺を浮き彫りにした。
報道倫理の欠如と社会的波紋、キャスターが放送内で深謝
批判が拡散し火消しに追われたキルミード氏は、4日後となる9月14日の放送内で一転して自身の非を認めた。
キルミード氏は番組内で「誤って“致死薬注射”などと極めて無神経な発言をしてしまった。深くお詫びする」と釈明し、公の場で謝罪する事態に追い込まれた。
メディアは単に情報を伝達する存在にとどまらず、公共の倫理観や基本的人権の価値観を形成する絶大な影響力を有する。特に生放送での過激なヘイトスピーチに近い言論は、一瞬で社会全体に歪みをもたらすリスクをはらんでいる。
報道に携わる関係者の社会的責任と道徳的倫理の在り方が強く問われると同時に、過剰な過激化を許容しない視聴者や市民側の監視の目が、今後ますます重要となってくる。