ニトリHD・似鳥昭雄会長「アメリカ景気は必ず悪くなる」「為替は来年1ドル130円台」

ニトリホールディングスの2025年4〜6月期連結決算で純利益が前年同期比2%減となり、似鳥昭雄会長は米国経済の不況と円高を見込む見解を示しました。

ざっくりPOINT
ニトリの純利益、前年同期比2%減
似鳥会長「2026年に1ドル=130円割れも」
物流費・人件費の増加が収益を圧迫
報道の詳細

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日米経済の変動が企業戦略に与える影響
現在、為替市場では円安が続いており、輸入型ビジネスを展開する企業にとっては仕入れコストの上昇が収益を圧迫する一方、円高に転じる局面では利益改善の余地もあります。

ニトリホールディングスは商品の約9割を海外から輸入しているため、為替の影響を大きく受けやすい体質です。

似鳥昭雄会長が言及したように、トランプ政権による関税政策やインフレの行方は、日本企業の価格設定や商品戦略にも直接影響を与える可能性があります。

また、物流費や人件費の上昇は、国内外を問わず小売業全体にとっての共通課題です。

今後の経営戦略では、円高局面を活かした原価改善と、消費者の購買意欲を引き出す新商品開発、さらに国内物流網の効率化が鍵となるでしょう。

ニトリに限らず、多くの企業が国際的な経済政策と為替動向に敏感に対応せざるを得ない環境にあります。

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ニトリHD会長「米国不況で26年に1ドル130円台」 4〜6月純利益2%減

ニトリホールディングスが7日発表した2025年4〜6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比2%減の261億円だった。需要の伸び悩みや目玉商品を欠き家具などの販売が振るわなかった。前年同期よりも円高水準で為替予約したため、利益押し上げ要因になったが、物流にかかわる経費や人件費増が重荷となった。

7日の決算会見で似鳥昭雄会長は「トランプ米政権による相互関税でどの程度インフレになるかわからないが、米景気は必ず悪くなる」と主張した。「為替は来年が1ドル=130円台、再来年には130円台をきるかもしれない。不況になるのを待っている」と述べた。

売上高にあたる売上収益は前年同期比1%減の2316億円、営業利益は1%減の369億円だった。主力の家具量販店「ニトリ」の4〜6月の国内既存店売上高は前年同期比2%減った。低価格帯の商品開発の強化が遅れ、客数が落ちこんだ。

新たな物流施設開業による関連経費は22億円、賃上げなどによる人件費増も10億円の減益要因となった。同社は商品の約9割を輸入するため円高は利益を押し上げる。26年3月期は1ドル=147円65銭で為替予約し、25年4〜6月期は前年同期の期中平均レートから8円程度の円高だった。為替や原価低減策などが利益を押し上げたが経費の増加を補えなかった。

26年3月期の業績予想は据え置いた。売上収益は前期比6%増の9880億円、純利益は14%増の940億円を見込む。4日発表した7月の国内既存店売上高は前年同月比9%減だった。永井弘常務執行役員は「客数が課題だ。短期的には夏の感謝祭で販促し、下期からは低価格新商品を投入する」と対策を講じる方針を示した。

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