2013~15年に国が3回実施した生活保護基準額の引き下げによる減額総額が、5年間でおよそ3000億円に達したとの試算が明らかになり、最高裁判決の行方に注目が集まっています。
ざっくりPOINT
減額は13年から18年で総額約2900億円
大阪・名古屋の訴訟、最高裁判断へ
勝訴なら未払い分の返還が国に求められる可能性
https://news.yahoo.co.jp/articles/75981b93505856912f8e75153fb1c0a6a33d37ea
国が2013~15年に3回実施した生活保護基準額の引き下げによる減額の総額が、18年までの約5年間で計3000億円規模になることが1日、時事通信の試算で分かった。
【ひと目でわかる】各年度の生活保護基準額引き下げ幅
各地の受給者が減額処分取り消しなどを求めた訴訟では、判断が分かれた大阪、名古屋各高裁の2件について最高裁が27日に判決を言い渡す。原告が勝訴すれば、国は減額分の返還を求められる可能性がある。
厚生労働省によると、引き下げの影響期間は13年8月~18年9月。この間、受給者数は約209万~約216万人で推移した。
同省の資料では、最初の引き下げによる13年度の財政効果は約150億円、2回目の14年度はさらに260億円、15年度も260億円と見積もった。これにより13~15年度の各減額幅は予算ベースで150億円、410億円、670億円となった。
厚労省は16年度以降の見積もりを作成していないが、受給者数に大きな変化も見られないことなどから、15年度と同規模の減額が続いたとみられる。18年度は10月に新たな基準額改定が実施されたため、同年度の減額幅を670億円の半額に当たる335億円として試算したところ、減額は総額計2900億円余りとなった。
試算について、厚労省の担当者は「厚労省の出した数字ではないが、間違いだとも言えない」と話している。
大阪訴訟の原告側代理人を務める小久保哲郎弁護士は最高裁で勝訴した場合について、「国は全ての受給者に謝罪し、引き下げ前の基準に基づき未払い分を支給するべきだ」としている。
現物支給でいいよ
— ちんかわ (@uluosu99910807) June 2, 2025
日本人のみに限定してくれたら増額可能かもよ
— まさ☀️ (@messagemasa) June 2, 2025
日本人の生活保護費を減らす前にまず外国人生活保護を廃止して予算をつくれよこのカス https://t.co/Bhu6IGSdx8
— 橋本琴絵 (@HashimotoKotoe) June 2, 2025
必要な人のを削るのではなく不正受給や外国人生活保護をなくさなければ意味がない。
— fumiotan (@fumiotan23) June 2, 2025
生活保護制度を巡る政策判断と司法の役割
生活保護制度は、経済的困窮者の最低限度の生活を保障するための制度で、憲法第25条に基づく国の責任とされています。
2013年から2015年にかけて実施された基準額の引き下げは、デフレを理由に実施されたものの、「実態に即していない」「恣意的な政策判断」との批判が根強くありました。
特に今回、最高裁で審理されている訴訟は、その政策判断の妥当性を司法がどう評価するかが問われる重要な分岐点です。
過去の地裁・高裁判決でも判断が分かれており、最高裁の結論は今後の福祉行政に広範な影響を与えることは間違いありません。日本旅行
仮に引き下げが違法と認定されれば、他の類似政策にも再検証の動きが波及する可能性があります。
社会保障のあり方と「貧困」への国の責任
今回の最高裁判断は、単なる金額の問題にとどまらず、社会保障制度全体に対する国の姿勢が問われています。
物価や賃金が上昇する中、生活保護基準を引き下げた結果、医療扶助や住宅扶助、教育扶助などの関連給付にも影響が及び、受給者の生活の質に深刻な打撃を与えたと指摘されています。
制度の根幹をなすべき「生存権の保障」が、財政の都合や短期的な経済指標で左右されるべきではないという原則が、司法によって再確認されるのかが注目されます。
国が生活保護の減額を正当化する根拠をどこまで示せるのか、またそれに対して司法がどのような判断を示すのかに、福祉国家としての日本の方向性がかかっています。