ミニマムアクセスの枠外で高関税がかかる輸入米の流通量が急増し、SNSでは価格高騰や国産米の不足に対する批判が広がっています。 ざっくりPOINT 高関税でも輸入米が売れる異常事態 国産米が市場から消えたとの声多数 米価高騰で食料自給率の低下を懸念 価格高騰があぶり出す農政の脆弱性 現在のコメ市場の混乱は、単なる需給の問題にとどまらず、日本の農業政策の根幹にまで影響を及ぼしています。 SNSでは「国産米が高すぎて手が出ない」「どこへ消えたのか」といった声が相次いでおり、背景には備蓄米の放出遅れや農家への支援不足があると見られます。 農水省は長年、需給調整を作付面積でコントロールしてきましたが、極端な価格変動に対応できていない現状が露呈しました。 加えて、ミニマムアクセス以外の高関税米の流通が進む中、商社は採算を見込んで輸入を拡大しており、市場の原理が政策の意図を上回る異常な構図が生まれています。 農政の立て直しが急務です。 農家支援と市場安定への本質的な対策を 今回の輸入米急増は、一時的な対応でしかなく、根本的な解決にはなりません。 ミニマムアクセス枠外での高関税米が大量に市場に流れたのは、国産米の価格が高騰し過ぎていたことが大きな要因です。 つまり、国内の供給体制が市場価格を維持できないほど崩れているということを示しています。 農業の安定的な生産と価格のコントロールを実現するには、備蓄米の放出だけでなく、令和8年以降の収穫計画を見据えた長期的対策が不可欠です。 消費者の不安を払拭し、農家の意欲を支えるためにも、政府は生産支援と流通調整の両輪で対応していく必要があります。 短期の価格調整に留まらない、持続可能な農政の構築が求められています。 コメの輸入量が急拡大 高い関税でも採算が見込めると判断か 2025年6月17日 6時51分 コメの価格高騰が続く中、関税をかけずに義務的に輸入する「ミニマムアクセス」の枠外で、高い関税がかかるコメの輸入量が拡大しています。 ことし4月には6800トン余りと、1か月間で昨年度1年間の2倍を超えました。 日本は、年間およそ77万トンのコメを「ミニマムアクセス」として関税をかけずに義務的に輸入し、この枠外では1キロ当たり341円の高い関税がかかっています。
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