海外の情報調査費名目で香港に資金を送り、その一部を企業側に還流させて裏金を作っていたとされる大規模な税務逃れが発覚した。
- 全国の国税局が一斉調査を行い、計74社で約30億円の所得隠しを指摘した
- 中国人コンサルタントが香港への送金とプリペイドカードによる還流を指南していた
- 国税当局は重加算税を含め、法人税など13億円余りを追徴課税した
全国の国税局が実施した一斉調査により、計74社で総額約30億円にのぼる所得隠しが指摘されていたことが、5日に関係者への取材で明らかになった。
巧妙なスキームを「節税」と称して指南し、数億円にのぼる巨額の手数料を得たとみられる中国人のコンサルタントは、すでに国外へ出国しているという。

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架空の「情報調査費」を名目に香港へ送金
所得隠しを厳しく指摘されたのは、東京都江戸川区に拠点を置く給食事業会社や、大阪市中央区の飲食店経営会社など多岐にわたる。
関係者への詳細な取材によると、これらの企業はいずれも中国人コンサルが指定した香港の口座宛てに、実態のない海外情報調査費名目で資金を送金していた。
送金された総額から約3割の手数料が差し引かれ、残りの資金がプリペイドカードなどの形態で各企業側にキックバックされる仕組みになっていた。
こうして手元に戻った資金は、表に出ない裏金として処理されていたことが国税側の調べで判明している。
国税当局は、これらの多額の経費について実体のない架空のものであると厳しく認定し、悪質な所得隠しと判断した。
その結果、重加算税を含めた法人税などの総額で13億円余りが追徴課税される事態となっている。
複雑な資金の流れの全容を正確に把握するため、当局は送金先である香港サイドに対し、租税条約に基づく情報提供の要請を進めているとみられる。
異業種交流会で勧誘、すでにコンサルは国外へ
この悪質な手口が明るみに出た発端は、大阪国税局がプリペイドカードを巡る不審な金の流れを独自に確認したことだった。
その後、東京国税局などとの綿密な連携体制が敷かれ、全国規模の調査へと大きく発展していった経緯がある。
関係者の証言では、問題の中国人コンサルは日頃から異業種交流会などに積極的に顔を出し、経営者らに甘い言葉で「節税」の手法を紹介していたという。
税の公平性を著しく損なう国際的な脱税スキームに対し、国税当局が厳しい姿勢を示した今回の摘発は、経済社会に大きな衝撃を与えている。