日本政府は、インド洋に位置する島嶼国モルディブ共和国における災害に対する強靱性向上を支援するため、総額15億5,500万円の無償資金協力を実施することを決定した。
- 日本政府がモルディブ共和国に対し、総額15億5,500万円の無償資金協力を決定した。
- 首都マレ島を対象に、護岸の嵩上げや雨水排水能力の向上を図り、高波や豪雨災害の軽減を目指す。
- 物価高など国内課題が山積する中、SNS等では海外支援の妥当性を巡り賛否の声が上がっている。
外務省の発表によると、モルディブは国土の約80パーセントが海抜1メートル以下という非常に脆弱な地理的条件を抱えている。
特に首都マレ島には全人口の約4分の1が集中して居住しており、高波や高潮などの自然災害が発生した際には、同国の経済社会全体に甚大な影響が及ぶおそれがある。

News22 Visual Archive • In-Depth Coverage
海抜1メートル以下の島嶼国モルディブ、深刻化する高波・高潮リスク
これまでも日本政府はマレ島の高波・高潮対策として護岸整備を行ってきたが、十分な排水能力が確保されておらず、道路の冠水が頻繁に発生するなど新たな課題が生じていた。
こうした状況に対応するため、現地を訪問中の生稲晃子外務大臣政務官とモルディブ外務大臣との間で、7月26日に首都マレにて書簡の署名・交換が行われた。
今回の協力では、マレ島における海岸防災施設の嵩上げに加え、雨水排水能力の向上に資する機材整備などが実施される予定となっている。
この取り組みにより、同島における高波、高潮、さらには豪雨災害による被害の軽減が期待されている。
一方で、今回の15億5,500万円規模の無償資金協力に対しては、国内のインターネット上などで様々な議論を呼んでいる。
長引く物価高や国内の災害対応、深刻化する少子高齢化など、多くの課題を抱える日本国内の現状に鑑み、「なぜ国内が苦しい中で海外支援を優先するのか」といった疑問や批判の声が広がっている。
また、生稲外務大臣政務官の現地訪問に伴う費用対効果についても、一部で疑問視する指摘がなされている。
進む国際貢献と国内の生活苦、問われる説明責任と政策のバランス
他方で、外交的・地政学的な観点からは、モルディブとの強固な関係維持や国際社会における日本のプレゼンス向上、さらには気候変動問題への寄与として、こうした継続的な支援を評価する専門家の意見も根強い。
限られた国家予算の中で、国際的な責務を果たすための海外支援と、国内の切実な生活課題とのバランスをどのように取るのか。
今後は政府に対して、国民へのより一層の丁寧な説明と、透明性の高い政策運営が求められている。