竹田恒泰氏がXで、参政党の神谷宗幣氏との皇位継承に関する見解の違いを理由に「支持しない」と明言し、波紋を広げています。竹田氏は「神谷氏は男系継承を主張しつつ、女性天皇を容認しており、それは矛盾している」と主張しました。
この発言に対し、神谷氏は強く反論。「参政党としては一貫して男系男子継承を主張しており、私個人の過去の一部発言を切り取って否定され続けるのは理解できない」と投稿しました。さらに神谷氏は「参政党は私一人の党ではなく、党員の総意で政策を決定している」とし、党としての立場と個人への攻撃の分別を求めました。
両者の論争は、天皇制という国家の根幹に関わるテーマをめぐるものであるだけに注目を集めており、X上では多くのユーザーがそれぞれの主張に反応を示しています。
竹田先生
参政党は皇位継承の会議でも公式に男系男子を主張し、女性天皇の主張など一切していないのに、選挙の度に私個人の過去の発言の一部をとらえて何度も何度も否定するのは何故ですか。意味がわかりません。
参政党は私だけではないんですよ?党員の総意で政策を決めています。… https://t.co/fL5OPEKUTM— 神谷宗幣【参政党】 (@jinkamiya) July 14, 2025
参政党の神谷宗幣氏とは、皇位継承で意見が一致しないため、支持しません。他の点では意見の一致が多いので残念です。
神谷氏は男系継承を守ると言いつつも、女性天皇を容認すると述べました。女性天皇は女系天皇の入り口なので、彼の論は矛盾します。
— 竹田恒泰 (@takenoma) July 14, 2025
男系男子継承をめぐる保守層の分裂
皇位継承問題は、長らく保守層の中でも意見が分かれるテーマの一つです。日本の皇室では、歴代の天皇のほとんどが男系男子によって継承されてきましたが、皇族の減少により制度の見直しを求める声も強まっています。政府内でも「女性天皇」や「女系天皇」の是非をめぐる議論がたびたび行われていますが、いまだに明確な方向性は示されていません。
竹田恒泰氏は、男系男子継承の厳格な維持を主張する論客として知られており、女性天皇容認論には一貫して反対の立場を取っています。一方で神谷宗幣氏は、過去に柔軟な発言をしたことがあるとされ、それが今回のような批判の対象になっています。
保守勢力内でも、皇位継承をめぐる温度差が表面化しており、今回の論争は単なる個人の対立にとどまらず、保守陣営における思想の方向性をめぐる深い亀裂の一端を示しています。
国の象徴をめぐる議論の成熟が求められる
今回の論争は、皇位継承という非常にセンシティブなテーマが、政党や個人の立場によっていかに異なるかを浮き彫りにしました。神谷氏が述べたように、政策は政党全体の意思として形成されるべきであり、過去の個人発言だけを取り上げて党全体を否定することは適切とは言い切れません。
しかし同時に、皇室制度に関しては一貫性と信頼性が求められるため、政策の明瞭さが欠けていると感じる国民がいるのも事実です。とりわけ男系男子継承の存続を訴える声は保守層で根強く、わずかな表現の違いも激しい批判の対象となり得ます。
今後、皇位継承に関する議論は、感情論に流されず、歴史的・制度的背景を踏まえた冷静で建設的な対話が必要です。象徴天皇制の意義を守りつつ、時代の要請にどう応えるか。国民一人ひとりが自らの立場で考えるべき課題となっています。