トランプ大統領は日本からの輸入品に対し、8月1日から25%の関税を課すと発表しました。
ざっくりPOINT
関税25%で米・日間の貿易交渉が最終局面に
発動猶予の8月1日まで交渉の余地あり
追加関税警告で市場・株価に緊張感
貿易戦争の再燃と多国間の影響
トランプ大統領が発表した新関税は、日本だけでなく韓国やマレーシア、インドネシアなど14か国にも適用されるものです。
中でも日本は、前回の24%から25%に引き上げられ、米国の対日貿易赤字解消を目的とした強硬措置と受け止められています。
自動車関税も据え置かれる見通しで、日本経済に与える影響は深刻です。
特に日本の輸出産業は、これまでアメリカ市場への依存度が高かったことから、この関税引き上げが業績悪化や為替の変動に波及する懸念もあります。
また、トランプ大統領は手紙の中で「市場を開放すれば内容を見直す」とも記しており、日本政府としては交渉を通じて一定の妥協点を探る必要があります。
こうした動きは、再び世界的な貿易摩擦の火種となる恐れもあり、他国の対応も注目されています。
8月1日までの交渉と政権の駆け引き
発動予定日まで3週間を切る中、日本政府は水面下でアメリカとの協議を進めています。
今回の措置は「交渉カード」としての性格が強く、過去にも関税の発動を示唆しながら、ギリギリで撤回または一部緩和された例が存在します。
しかし、今回はトランプ政権が再選後の初の大型経済措置として位置付けており、国際的な注目度も高いことから、日本側の譲歩を引き出すための圧力は強まると見られます。
一方で、アメリカ国内の企業団体や議会の一部には関税強化に否定的な声もあり、今後のロビー活動が関税発動の有無を左右する可能性もあります。
また、他国と連携した対応を検討することも、今後の日本の交渉戦略において鍵となるでしょう。
アメリカのトランプ大統領は日本からの輸入品に対して8月1日から25%の関税を課すと発表しました。
【画像でみる】“トランプ関税”交渉7回も妥結見えず…圧力の背景には「参議院選挙」
7日、SNSに石破総理に宛てた手紙を公開しました。
トランプ政権は現在、日本からの輸入品には10%の関税を課していて、9日まで発動が一時停止されている相互関税の「上乗せ分」をあわせても24%でしたが、25%はそれを上回る水準で、発動されれば日本経済に大きな打撃が予想されます。
トランプ氏は自動車など品目別の関税については今回の決定とは別だと説明していて、自動車への追加関税は引き続き25%となる見通しです。
トランプ氏は手紙の中で「我々は日本との貿易関係について、長年、議論してきたが、日本の関税や非関税障壁などが原因の貿易赤字から脱却すべきだという結論に至った。我々の関係は、残念ながら相互主義からほど遠い」とつづっています。
そのうえで、日本が対抗措置をとれば、さらに税率を上乗せすると警告しました。
一方で、日本が関税や非関税障壁を見直し、「市場を開放」すれば「我々は手紙の内容を見直すかもしれない」ともつづり、関税が発動される8月1日まで交渉の余地があることもにじませました。
これに関連して、トランプ氏は大統領令を修正し、各国へ相互関税の「上乗せ分」を発動する日を7月9日から8月1日に延期しています。
また、トランプ氏は日本以外の14か国に対する新たな関税率も公表しました。
▼韓国、マレーシア、カザフスタン、チュニジアは25%、▼南アフリカとボスニア・ヘルツェゴビナは30%、▼インドネシアは32%、▼バングラデシュとセルビアは35%、▼カンボジアとタイは36%、▼ミャンマーとラオスは40%だとしています。
4月に発表された「相互関税」と比べると、日本とマレーシアの2か国だけ関税率が1%上昇していて、それ以外の国の関税率は据え置きか引き下げとなりました。
SNSに公開した手紙の文面は国名や首脳の名前を除いて各国とも同様で、「貿易赤字はアメリカの経済、そして安全保障の脅威だ」と強調しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9d29d291ae443d9c65a3a9e71a896304e0dc0755