テニスの4大大会「全仏オープン」の女子ダブルス3回戦で第16シードの加藤未唯(ザイマックス)とアルディラ・スーチャディ(インドネシア)組が失格した問題で、執ように抗議した対戦相手のマリエ・ブズコバ(チェコ)とサラ・ソリベストルモ(スペイン)組を〝女王〟マルチナ・ナブラチロワ氏が猛批判した。
この試合では、試合途中に加藤が相手コートへ向けて返した球がボールガールに直撃。審判は最初警告を通達したが、その後に対戦相手のブズコバとソリベストルモが失格を強く主張した結果、裁定が変わってまさかの失格処分が下された。
ブズコバとソリベストルモが不戦勝を狙ったとして非難が殺到する中、加藤は裁定を不服として提訴するなど騒動が泥沼化している。
そうした中、絶対女王として君臨したテニス界の重鎮ナブラチロワ氏もブズコバとソリベストルモ組を一刀両断した。米メディア「スポーツキーダ」は「元世界ランキング1位のナブラチロワもルールの馬鹿げた解釈を批判した。ブズコバとソリベストルモの姿勢を恥ずべきものだと失望している」と報道。ナブラチロワ氏はSNS上で「これはルールの馬鹿げた解釈であり、相手の失格を主張することは恥ずべきことだ」と強く批判した。
これに対して一部のファンが、2020年全米オープンの4回戦でノバク・ジョコビッチが誤って打ったボールが線審のノドに当たって失格となった騒動と同様だと指摘。しかしナブラチロワ氏は「同じものではない。そんなことはあなたも分かるはずだ。リンゴとオレンジほど違う」と反論。加藤が返した打球は強くないことなどからジョコビッチのケースとは異なると説明した。
加藤の失格問題はまだまだ物議を醸しそうだ。