俳優の梅沢富美男が22日、日本テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」に出演。18日に自宅から救急搬送され、その後、退院した歌舞伎俳優の市川猿之助について、一部で報じられたハラスメント問題について持論を述べた。
父の市川段四郎さん、母の延子さんが向精神薬を大量服用して死亡したことに対して、知り合いの医師から聞いた話を語った。
続いて「死んで生まれ変わろうという話を聞いたときに、段四郎さんもよく知ってますし、奥さまも知っていますから、歌舞伎という特別な世界で、特に猿之助さんは澤瀉屋を背負ってましたから」と語り、「週刊誌でどうしたこうしたという話が出てましたが、一つ言わせてもらっていいですか?僕も劇団で座長をやってますから」と司会の宮根誠司に確認して持論を述べた。
「芸能界と社会の問題と、ごちゃまぜにしないでほしい」ときっぱり言い切り、「僕ら、それで生きてきたんです。僕なんか特に、バカにされて。ドサ回りの三文役者、そんなこと言われながら、いつか檜舞台に立ってやるって。なんの助けもなかった」と大衆劇団員として生き抜いた自身の半生を振り返った。
さらに「僕だって映画俳優になりたくて、18歳で願書を持って大船撮影所に並んだだけで、いらねえって言われた。そんな世界ですよ。演技も見てもらえなくて、目が小さいからいらねえんだよって。そんな世界ですよ」と厳しい環境であることを強調した。
その上で猿之助が生きる歌舞伎に話を移した。
「歌舞伎というのは、一つのお芝居をやるために何十人という役者が集まってやる。團十郎さんに付こうが、菊五郎さんに付こうが、それで役をもらえるわけじゃない。でも猿之助さんのところは、スーパー歌舞伎という形で劇団をつくっている。ですから、乱暴な言い方をすると、芸能界はそういうところなんです。その役に合わない役者はいらないんです」
宮根が「パワハラはあってはならないけど、厳しい稽古があってこそ、舞台に立てて、お客さんからお金をいただける」と言葉を挟むと、梅沢は「誰でもいいわけじゃないんです。いろんな役者が集まってやればいいってもんじゃないんですよ」と受けた。
その上で「猿之助さんが演出、構成したときに、その役に合わない、ヘタクソな役者がいたときには使わないんです。そのときに、『なんで使ってくれないんですか?』『ヘタクソだからだよ!』って言いますよ、座長さんは。すべて背負っているんですから。そういうことを踏まえて報道してほしい」と求めた。
元大阪府知事の橋下徹氏は梅沢の言葉を解釈し、「役者に対する厳しい稽古や物言いはその世界のことがあるだろうということですね?そこに、ハラスメントの話が入ってくるのはダメ。別ですね」と梅沢に確認していた。