東京・台東区の風俗街吉原のソープランドで起きた人気泡姫殺人事件を受けて、手荷物検査の実施を呼びかける店舗が増えている。
事件は5日に発生。高級ソープランド店内で、男性客が従業員の女性の首などを刃物で刺し、女性は病院に搬送されたものの死亡が確認された。13日に殺人容疑で逮捕されたのは契約社員の今井裕容疑者。自ら腹を刺して入院していた。
凶器に使われたのはサバイバルナイフだった。吉原関係者からは手荷物検査の必要性が事件直後から言われていた。すでに実際に開始した店もある。
ある吉原の高級店では公式サイトやツイッターで「貴重品以外のお荷物のお預かりをお願いする事がございます。盗聴機器や禁止薬物・危険物の持ち込み等を未然に防ぐためです」と説明。さらに、遠い福岡の店舗でも「この度、在籍女性とお客様の安全のため金属探知機を導入することになりました」と協力を呼び掛けている。
男の供述も物議を醸している。何度も被害女性を指名していたが、1月に指名拒否になり、事件当日は偽名を使って予約していた。「私の人生と相反してきらびやかな人生を送っていることに殺意が芽生えた」と供述しているといい、NG客になったことで逆恨みした可能性があるのだ。
業界において指名拒否は珍しいことではない。ある風俗嬢は客にNGを出すことについて、「店に来るたびに店外(デート)を誘って来たり、『おれが一番の客だよね』みたいに気持ちが重くなってきたりすると、そろそろNGかなって思う」と指摘。指名拒否の判断になったのは何かしらの理由があったはずだ。
風俗の世界ではどうしても客とのトラブルは付き物。別の風俗嬢は「初めて来たいちげんのお客さんがストーカーになりました。あとをつけられたみたいで家を特定されて、LINEでも脅迫めいた内容が来るようになり警察に相談して対処してもらいました。もちろんNG客にしてます」と恐怖体験を語った。指名拒否は身を守るためなのだ。
それなのに逆恨みされてはたまらない。手荷物検査の導入は業界で働く女性に歓迎されることだろう。