政府は、国家のインテリジェンス(情報収集・分析)の中核機能を担う新組織「国家情報局」について、今夏にも現在の内閣情報調査室(内調)と同規模となる職員約700人体制で発足させる方針を固めた。
初期段階では内調の規模を引き継いでスタートさせ、その後に段階的な増員を図る方針だ。同局の設置根拠となる国家情報会議設置法案は4月に衆院を通過しており、参院での審議を経て、早ければ7月頃の見込みで速やかな設置を目指す。
内調を格上げ、700人体制で今夏発足へ
内調はこれまで、各省庁との併任職員を含めて約700人の体制を維持してきた。新設される国家情報局は、この内調を事実上格上げする形で発足することになる。
- 政府はインテリジェンス機能の強化に向け、今夏にも「国家情報局」を約700人規模で発足させる方針を固めた。
- 内閣情報調査室(内調)を格上げして新設し、来年から専門の「キャリア組」採用試験を新たに導入する。
- 海外機関との折衝やSNS上の偽・誤情報対策、AI活用を見据え、民間からの中途採用や技術系職員の確保も検討する。
組織の運営体制にも大きなメスが入る。従来の組織トップである内閣情報官には警察庁出身者が就任し、各省庁からの出向者が幹部ポストを占める構造が続いてきた。

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しかし、国家情報局の発足にあわせて、総合職採用による専門の「キャリア組」の採用を初めて導入する方針が固まった。これにより、組織の専門性と独立性を高める狙いがある。
さらに、多様化する安全保障上の脅威や情報戦に対応するため、民間企業からの中途採用も積極的に進める方針だ。
新組織では、海外の情報機関との折衝や高度な外国情報の分析に加え、近年深刻化しているSNS上の偽・誤情報対策なども重要な任務として担うことになっている。
そのため、高い語学力を持つ人材や、インターネット関連の高度な技能を有する民間人材の確保が急務となっている。
また、日々膨大に流れ込むデジタル情報を迅速かつ的確に処理するため、AI(人工知能)技術の導入も不可欠視されている。
「キャリア組」導入とAI技術者の確保が急務に
木原官房長官も「AIを活用した効率的で効果的な手法を確立することが求められる」と指摘しており、政府はAIを駆使できる技術系職員の積極的な採用も検討している。
一方で、こうした新たな情報機関の創設に対しては、国民の間から様々な懸念や疑問の声も上がっている。
SNS上では、組織の肥大化や監視社会化を危惧する声に加え、新たな天下り先や利権温床にならないかといった厳格な監視を求める意見も見受けられる。
高度化する国際情勢やサイバー空間の脅威に対抗するため情報機能の抜本的な強化は急務とされるが、同時に、組織の透明性と民主的な統制をどのように担保していくのか、今後の国会審議や制度設計に大きな注目が集まっている。