石破前首相、自維連立を批判 コメ政策の方針転換には“違和感”

石破茂前首相が核政策や連立の在り方、コメ政策への違和感について語りました。

ざっくりPOINT
石破茂前首相が核兵器禁止条約の会議不参加をやむを得ない選択と説明
高市早苗首相の政権について無批判に従わない姿勢を示す
コメ政策の方針転換に不満を表明
報道の詳細

石破前首相、自民のさらなる保守路線「違和感」/コメ増産方針を転換「不愉快な話」/核禁条約会議「オブザーバーでも参加すべきだった」 インタビューで語る

石破茂前首相(鳥取1区)は、衆院議員会館で中国新聞のインタビューに応じ、3月の核兵器禁止条約第3回締約国会議へのオブザーバー参加の見送りの判断を振り返った。高市早苗首相の下で、公明党が離脱し日本維新の会が加わった連立の枠組みについて批判し、コメ政策の方針転換には違和感を語った。

【画像】初当選した石破氏(1986年7月8日掲載)

 ―石破政権の核政策をどう振り返りますか。

 今年は被爆80年。個人的にはオブザーバーでもいいから参加すべきだと思っていた。その思いは公明党の斉藤鉄夫代表とも共通していた。ただ、政府全体としてそれができるか、葛藤があった。米国に核抑止を依存していることと矛盾せざるを得ない。為政者としてやむを得ない選択だった。核保有国も参加する核拡散防止条約(NPT)体制がより実効性がある。

 私にとって8月6日は特別な日だ。小学6年の時に見た広島の被爆の記録映像は一生忘れない。今年の平和記念式典のスピーチ原稿は何度も書き直し、最後に正田篠枝さんの短歌を入れた。核の悲惨さをあれほど端的に表した歌はない。

 ―多くの中国地方選出のベテラン議員が政権を支えました。

 中国5県に内閣や自民党の重鎮がいて、そうした方々は「石破降ろし」に加担したわけでもなく、よくお支えいただいた。岸田文雄元首相とは穏健中道という立場を同じくし、政策を継承、発展させた。しゃしゃり出る人ではないが、陰に陽に存在は大きかった。

 ―高市首相の新政権をどう見ますか。

 今回の自民党総裁選では石破政権を継続してくれるという意味で、林芳正総務相、小泉進次郎防衛相を応援した。そうではない政権がスタートしているが、正規ルールでできたのだから、党員として支えていかなきゃいかん。ただ、無批判に従うということではない。

 ―公明党は連立離脱をしました。

 自民党が野党で苦しい時、一緒にやってくれたことを忘れたらいかん。維新は新自由主義的。自民党政治がいわゆる保守の路線へさらに傾くことにすごく違和感がある。

 ―コメ政策では、石破氏が掲げた増産方針を転換させますね。

 不愉快な話だ。コメは安いほどいいとは言わないが、消費者が常に求められる値段であるべきだ。(米価高騰で)コメが足りないのは証明されたようなもの。値段が下がるのはいかんので増産はやめと言われると、それは違う。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b388a269514fcfd6e282c18c07d117a166f72641

石破茂氏の発言にみる自民党内対立と保守層の分断
今回の石破茂前首相の発言に対して、X上では厳しい意見が多く見られました。とくに自民党支持層や保守的な立場からは「後ろから撃つ」との批判が目立ち、政権に対する不満や内部からの異論に対して拒否反応が強く出ている様子がうかがえます。石破氏は過去にも政権批判や異論を公にしてきたことで「党内野党」と揶揄されることもあり、今回の発言もその延長線上と捉える向きが多いようです。

一方で、政策的な観点からは、核兵器禁止条約への参加問題や、米価高騰を受けたコメ増産方針の見直しについて、現場感覚に基づいた主張と評価する声も一部には存在します。しかし、ネット上の論調ではそうした政策論よりも、党内の立場や「裏切り」「批判ばかり」といった人物評価に焦点が当たっており、石破氏の訴えが本質的な議論につながっていない状況です。

今回の動きは、自民党が保守層の結束を再確認し、より一層の右傾化を強める中で、異なる意見を表明する立場がますます厳しい立場に置かれていることを示しています。石破氏のような穏健中道の立場が党内で孤立していく可能性もあり、今後の党内バランスや政権運営にどのような影響が出るのか注目されます。