北朝鮮リゾート「元山葛麻海岸観光地区」が完成、 金正恩氏「誇り高い第一歩だ!」→ 反応『ちょと行ってみたい』『JTBで予約してきます』

北朝鮮東海岸の江原道に建設されていた「元山葛麻海岸観光地区」が完成し、金正恩氏出席のもと24日に竣工式が行われました。

ざっくりPOINT
観光地区完成 約2万人宿泊可能な施設群が整備へ
金正恩氏「誇り高い第一歩」と称賛
7月1日から国内観光客ら対象にサービス開始

 北朝鮮の東海岸沿いに位置する江原道(カンウォンド)で長年建設が続いていた「元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区」が完成し、24日に竣工(しゅんこう)式が行われた。朝鮮中央通信が26日、報じた。金正恩(キムジョンウン)氏が工事現場を何度も視察に訪れていた「肝いり」のリゾート地で、式典には金氏も出席した。

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 同通信によると、完成した観光地区は国内外の観光客約2万人が宿泊できるホテルや飲食店、娯楽施設、海水浴場などを兼ね備えている。国際社会による経済制裁などの影響を受け、完成予定時期がたびたび延期されてきたが、7月1日から、まず国内の観光客を対象にサービスを開始するという。

 金氏は観光地区の完成について「文化観光発展に関する(朝鮮労働)党と政府の方針を実現する道のりにおける誇り高い第一歩」だと称賛。さらに、今回の成果と経験に基づいて「各地域に有望な大規模観光文化地区を最短期間内に建設する重大な計画を党大会で確定することになる」と述べた。

 同通信は今月24日の報道で、党大会を招集する方針が決まったと伝えていたが、日程や詳しい中身については触れていなかった。(ソウル=清水大輔)

https://news.yahoo.co.jp/articles/9601b1f560e3cacb0f85e0ce81a413626c7e1a53

https://www.youtube.com/watch?v=c3Sl

東海岸観光振興の背景と地域拡大計画
北朝鮮がこのリゾート地を整備した背景には、国内経済の活性化と地域観光の強化があります。

国際制裁下にあっても、北朝鮮当局は観光を通じた収入確保と国民の気分転換の場としての利用を重視しています。

金正恩氏は以前から沿岸地域の開発を視察し、政府・党の「文化観光発展」方針の一環として大々的に推進してきました。

国内観光客中心の運営開始後、外国人向け客の誘致も視野にある模様です。

観光地区の完成は北部・江原道の開発を全国へ広げる足がかりになると見られ、各地に大型観光文化施設を展開するため、今後党大会で関連計画が議題になる可能性があります。

過去にも三池淵や開城といった観光地や開発区を設けてきた北朝鮮ですが、今回のプロジェクトは規模もインパクトも最大規模との評価があります。

今後の展望と課題
この観光地区の完成は、経済制裁下でも「自力更生」として自国内での需要喚起を重視する北朝鮮の姿勢を象徴します。

まず7月1日から国内観光客向けに開放され、観光産業拡大のモデルケースとなることが期待されます。

ただしインフラ整備や運営ノウハウの不足、安全・衛生面での基準確立も課題となるでしょう。

今後、外国人観光客の受け入れが本格化すれば、国際的な監視や制裁面での取り扱いが問われる局面も出てきます。

また金正恩氏が言及しているように、他地域へ同様の開発を急速に展開する場合、開発資金の調達、国内の資源配分、建設能力の確保など課題が山積しています。