石破茂氏が自民党内の「右傾化」に異を唱えつつも退陣を選んだことで、党の保守色が再び強まる可能性が高まっています。
ざっくりPOINT
会社員男性が石破茂氏を支持するデモを呼びかけ
石破氏が右傾化への危機感を示し「右に行って潰れた歴史がある」と発言
石破氏が憲法9条改正や核共有に関する保守的主張を維持
報道の詳細
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石破氏退陣に対するネットの反応と、今後の自民党内の行方
今回の石破茂氏退陣をめぐる出来事に対して、X上では厳しい意見が目立ちました。
特に、デモに対する懐疑的な声や、石破氏の発言内容への批判、保守的な立場からの強い否定意見が多く見られました。
「自民党らしくない」「立憲支持層に応援されることへの違和感」「売国的」「自己満足」など、石破氏の政治姿勢やその支持者層に対して反発するコメントが続出しています。
中でも多かったのは、「自民党内でリベラル的な発言をするなら離党すべき」「党の理念から逸脱している」という声でした。
また、デモそのものの正当性や効果を疑問視する意見も多く、「選挙結果が民意」「デモに意味はない」など、手法に対する批判も目立ちました。
一方で、石破氏が辞任することによって自民党が一層保守化するという流れを歓迎する意見もあります。
これは、安倍元首相の路線を支持する層にとっては望ましい展開であり、今後の政権運営や政策に大きな影響を与える可能性があります。
今回の件を通じて、自民党がどこまで多様な意見を許容するかという点が改めて問われる状況となりました。
石破氏のように保守とリベラルの双方にまたがる政治家が党内で生き残るのは難しくなってきており、党内の言論空間が狭まりつつあることを示唆しています。
今後、自民党が一枚岩の保守政党へと傾いていくのか、それとも再び多様性を取り戻すのか、その行方に注目が集まります。
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「頑張れ石破!」「排外主義者に日本を渡すな!」。8月8日、東京・永田町の自民党本部前。党内で強まる「石破おろし」の動きに反発する「石破辞めるなデモ」の参加者約200人が声を張り上げた。
石破首相「辞めろ」「辞めるな」デモ 訴えた人たちが見た退陣表明
主催したのは、東京都内に住む会社員男性(26)。7月の参院選で野党候補が在留外国人を危険視する演説を見て、日本社会が排外主義に傾きかねないと危機感を抱いた。「アクセルを踏まない政治家」として浮かんだのが、石破茂首相(自民総裁)だった。
この男性は、立憲民主、共産、社民各党などのリベラル系政党を支持するが、石破氏が選択的夫婦別姓制度や同性婚の法制化に前向きな姿勢を取っていると共感。「石破さんが辞め、排外的考えの人が政権を担うのが怖い」。そんな思いからSNSでデモを呼びかけた。
石破氏「この国は右に行って潰(つぶ)れた」
デモは7月下旬以降、官邸前などで複数回開催。石破氏は周囲に「日本政治の歴史で『総理辞めるな』というデモは初めてではないか」と語った。「俺はこの国が『右』に席巻されるのが嫌だ。この国は左に行って潰れたことはないが、右に行って潰れた歴史がある。何があっても繰り返してはいけない」
石破氏が常に自身の対極的存在として意識していたのが、「戦後レジームからの脱却」を掲げた保守派の安倍晋三元首相だった。ただ、石破氏自身、党内でこそリベラル寄りとみられているが、その主張を子細にみればそうでもない。憲法9条2項の削除と自衛隊明記は持論であり、日本国内に米国の核兵器を置いて共同運用する「核共有」の必要性を訴え、非核三原則の見直しに言及したこともある。政府高官は「石破氏はリベラル的政策を好む傾向がある一方、同じ頭の中で保守的な安保観も共存する」と語る。
https://www.asahi.com/articles/AST9B25FGT9BUTFK001M.html
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