石破首相、全国戦没者追悼式の式辞で13年ぶりに「反省」を復活させる…

石破茂首相が全国戦没者追悼式の式辞で、13年ぶりに「あの戦争の反省」という表現を用いたことが注目されています。

ざっくりPOINT
1994年に村山富市氏が「深い反省」を表明
2013年以降、安倍晋三氏や菅義偉氏、岸田文雄氏は「反省」に言及せず
2025年、石破茂首相が「反省」の語句を式辞に盛り込む
報道の詳細

==========================================

式辞の「反省」復活に反発が集まる背景と国民感情の温度差
石破茂首相が戦没者追悼式で「あの戦争の反省」と明言した式辞が話題を呼ぶ中、X上では「なぜ今さら反省なのか」「謝罪を繰り返す必要はない」といった否定的なポストが数多く見られています。

これは式辞に込められた政治的意図や歴史認識への違和感を示すものであり、一部のユーザー層からは、石破政権に対する不満や不信と結び付けた声も上がっています。

世論調査でも、時事通信の8月の調査では内閣不支持率が支持率を大きく上回っており、石破内閣に対する期待感の低下がうかがえます。

もっとも、式辞の内容自体が直接の不支持要因であるかは明確ではなく、X上での否定的反応が必ずしも国民全体の声を代表するものとは言い切れません。

ただし、SNS上の動向は国民感情の一端を映す鏡として無視できず、特に歴史問題や戦争責任に関する表現は、時代や社会の空気によって大きく受け取られ方が左右される傾向にあります。

こうした反応の背景には、戦後80年を迎えた今の日本社会における歴史認識の揺らぎ、そして首相の言葉に対する敏感な受け止め方があると考えられます。

政治指導者による歴史への言及は、単なる個人の見解にとどまらず、国家の姿勢を国内外に示すものとして、引き続き厳しい目が注がれていくでしょう。

==========================================

石破首相、式辞に13年ぶり「反省」復活 全国戦没者追悼式

 石破茂首相は15日の全国戦没者追悼式の式辞で、「進む道を二度と間違えない。あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばならない」と述べ、先の大戦に対する「反省」の語句を13年ぶりに復活させた。

【写真まとめ】全国戦没者追悼式の現地の様子

 1994年に村山富市氏が「深い反省」を表明してから、2012年の野田佳彦氏まで歴代首相は「反省」に言及してきたが、13年の安倍晋三氏の式辞以降、「反省」という言葉は消え、アジア諸国への加害責任に明確に触れることはなくなっていた。その後の菅義偉、岸田文雄両氏も言及しなかった。

 「教訓」の語句については、岸田氏が22~24年の式辞で、安倍政権下で閣議決定された戦後70年談話を踏襲して「歴史の教訓を深く胸に刻む」と述べていた。今回、石破首相が使った「反省」はより踏み込んだ表現で、「石破カラー」が一定程度、反映された格好だ。

 石破首相周辺は「反省」の語句について、アジアへの加害に限ったものではなく、戦争に至った経緯や戦後の文民統制(シビリアンコントロール)のあり方なども含めて振り返って考えることを意味するとの認識を示しつつ、「(式辞の中で)石破首相が力を入れた部分だ」と解説した。

 「戦争の惨禍を決して繰り返さない」との表現は、歴代首相とおおむね変わらないが、石破首相は「この80年間、我が国は一貫して平和国家として歩み、世界の平和と繁栄に力を尽くしてきた」と強調。「悲痛な戦争の記憶と不戦に対する決然たる誓いを世代を超えて継承し、恒久平和への行動を貫いていく」との決意を表明した。【大野航太郎】

https://news.yahoo.co.jp/articles/7b61de5c8a0079319b09c7851f2f6a416207aca0