ウナギの国産と中国産、何が違う?

国産ウナギは日本国内で養殖されたニホンウナギが中心であり、中国産はアメリカウナギが含まれることもあり、味や表示の基準に明確な違いがあります。

ざっくりPOINT
国産表示は「どこで育てたか」が基準
中国産にはアメリカウナギが含まれる場合もある
国産ニホンウナギは濃厚、中国産アメリカウナギはあっさり

 2025年の夏の土用の丑(うし)の日は7月19日と7月31日です。土用の丑の日にウナギを食べようと考えている人は多いのではないでしょうか。スーパーに行くと国産ウナギや中国産ウナギが売られていますが、SNS上では「国産と中国産の違いがいまいち分からない」「国産ウナギを食べたい」「最近の中国産ウナギはおいしくなった」という内容の声が上がっています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a73dc69d5788fb066408ccad6f619d108c31193a
ウナギ資源をめぐる国際的な事情
ニホンウナギは絶滅危惧種に指定されており、日本では天然の稚魚を使って養殖する方法が一般的です。

稚魚は毎年冬から春にかけて漁獲されますが、需要に対して供給が追いつかないため、中国や台湾などからも仕入れられています。

一方、中国ではアメリカウナギの養殖も盛んで、日本に輸入されるウナギの一部にはアメリカウナギが混じることがあります。

近年、DNA鑑定による市場調査では、中国産ウナギの約3割にアメリカウナギが含まれているという結果が出ています。

消費者が産地表示だけでなく、どの種類のウナギかにも注目することが求められています。

土用の丑とウナギ文化のこれから
日本では土用の丑の日にウナギを食べる習慣が根強く、年間消費量の多くがこの時期に集中します。

養殖業者は1月に稚魚を仕入れ、夏に合わせて出荷する体制を整えていますが、人工種苗の確立が難しく、天然稚魚に依存している状況です。

そのため、国内外で稚魚資源の保護が課題となっており、国際的な協力や規制も進められています。

また、味の違いや衛生管理も選ぶ際のポイントです。

国産は水温管理や餌にもこだわりがあり、品質の高さが評価されています。

今後は消費者の意識も、単なる価格比較から、持続可能な選択へと変わっていくことが期待されます。