麻生太郎氏「自民党政権を倒すのはいいよ。倒した後、どうするの?」

麻生太郎元首相が参院選の応援演説で「今回の選挙は政権選択ではない」と発言し、野党の政権準備不足を指摘しつつ自民党候補の支援を呼びかけました。

ざっくりPOINT
麻生氏「壊すのは簡単、ビルドの準備が野党にない」
与党過半数割れへの危機感あらわ
東京選挙区は32人が立候補、激戦続く

ねじれ国会の影響と与党の危機感
現在の政権構造は、衆議院では与党が多数派である一方、参議院では過半数を維持できるかが焦点となっており、いわゆる「ねじれ国会」状態への懸念が高まっています。

ねじれが生じた場合、政策や法案の成立が滞る可能性があり、迅速な対応が求められる外交・安全保障、経済政策などに支障が出ることが過去の政権でも確認されています。

とくに2007年以降の民主党政権時代には、衆参のねじれによる法案不成立や政局混乱が相次ぎ、政権の求心力低下を招きました。

この記憶が強く残る中、与党としては参院での議席維持が政権安定の生命線とされており、候補者への支援は国政運営の土台と見なされています。

政権への不満と受け皿不在のジレンマ
自民党政権に対する批判や不満の声は根強く、物価高や少子化対策などへの対応に不満を抱える有権者も少なくありません。

しかし、野党側は依然として共通政策やリーダー像を明確に打ち出せず、「政権交代」の現実味を欠いています。

麻生氏が指摘したように、政権を「壊す」だけでなく「建て直す」具体像がなければ、支持は一過性にとどまりやすいのが実情です。

選挙のたびに繰り返されるこの構図は、有権者の間で「選びたい政党がない」という政治的不信を深めており、結果として無党派層の増加や投票率低下を招いています。

真の選択肢を求める民意に応えるには、与野党ともに政策の実現性と責任ある姿勢が問われています。

麻生太郎元首相は17日、参院選(20日投開票)で大激戦の東京選挙区(改選7)に立候補している自民党の武見敬三氏の最終総決起大会であいさつし、事実上の政権選択の選挙といわれる今回の選挙戦について「政権を選ぶ選挙ではありませんよ」と主張した。今回、自民党が置かれた厳しい立場にも触れながら「自民党政権を倒すのはいいよ。倒した後、どうするの?」とも述べ、野党側に政権を担う覚悟が整っていないとの認識を示した。

【イラスト】参院選 東京選挙区の候補者一覧

 「立憲民主党で、野田(佳彦代表)さんが総理総裁と決まっていますか? (参院選が)終わった後、だれがどういう内閣をつくるか全然見えないじゃないですか」と述べ「(現在の政権を)壊すのはいいよ。壊してもいいが、その後、スクラップしたらビルドしないといけないが、ビルドの内容も決まっていない。野党もバラバラで、それでは自由民主主義や議院内閣制は成り立たない」と主張。危機感を示した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/658272db6acaf6d77485f2c30ad0183d20df3694