神奈川県警巡査長と暴力団員ら4人、会社役員への面会強要容疑で逮捕

会社役員の男性に「社長に会わせろ」と要求して念書を書かせたとして、警視庁暴力団対策課は警察官と暴力団員ら4人が強要容疑で逮捕されました。

ざっくりPOINT
面会要求の場で念書を書かせたため強要容疑
警察官が“見張り役”で暴力団と共謀か
県警監察官室長が「厳正に対処する」とコメント

 会社役員の男性に「社長に会わせろ」と要求し、念書を書かせたとして、警視庁暴力団対策課は17日までに、強要容疑などで、神奈川県警藤沢北署警務課の巡査長松本享之(36)=同県横須賀市佐原、指定暴力団住吉会系組員の高野俊介(50)=埼玉県上尾市仲町=両容疑者ら4人を逮捕した。

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 ほかに逮捕されたのは同組員高田拓馬(34)=同県桶川市加納、職業不詳霜村広士(36)=横浜市磯子区岡村=両容疑者。暴力団対策課は4人の認否を明らかにしていない。

 逮捕容疑は4月30日と5月2日、東京都板橋区の路上で、会社役員の60代男性に対し、債権を回収するために「社長に連絡して会わせろ」と要求し、面会させる旨の念書を書くように強要したなどの疑い。

 松本容疑者は5月2日の面会強要の際、男性宅の近くで見張り役をしていたが、警察官と分かるような格好ではなかった。当日は仕事が休みで、高校の同級生だった霜村容疑者に誘われたとみられる。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025071700408

警察官が実刑直前に関与か
今回逮捕された神奈川県警巡査長の松本享之容疑者は、高校時代の友人である霜村容疑者とともに、暴力団系組員とコンビを組んで会社役員への圧力に加担しています。

警察官が勤務外にそのような行動をしていた点は、市民の信頼を著しく損なうものです。

これまで犯罪捜査の最前線に立っていたはずの人物が、暴力団に手を貸す形で関与したことは、警察内部の管理体制や職務倫理に大きな疑問を投げかけています。

また、近年全国的に警察官による犯罪関与や不祥事が相次いで報告されています。

例えば、2023年には北海道警の巡査部長が賭博で懲戒処分を受けた事例があり、警察組織内での不正行為の根絶に向けた取り組みが強く求められています。

今回の事件はその延長線上にあり、県警がどのように組織改革を進めていくかが今後の焦点となるでしょう。

今後の信頼回復に必要な対応
警察官が暴力団と共謀して事件に関与したことは、警察全体の信用を低下させる重大な事態です。

県警監察官室は「職員が逮捕されたことは遺憾。事実関係に基づいて厳正に対処する」としていますが、それにとどまらず、再発防止のための教育・監視体制の強化が不可欠です。

また被害に遭った会社役員が念書を書かせられた背景には長年の債権トラブルや圧力の構造が考えられます。

暴力団排除条例の適用や、行政による警察との連携強化など、社会全体で暴力団勢力の弱体化を図る施策の徹底も求められます。

県警としては今後、刑事処分の行方と同時に、内部規律の見直しや市民への信頼回復策を明確に示す必要がありそうです。