トランプ大統領「イランの核施設空爆は、広島・長崎への原爆投下と本質的に同じもの。あれが戦争を終結させた」

トランプ大統領がイラン核施設への空爆を「広島・長崎と本質的に同じ」と発言し、戦争終結を正当化する意図をにじませたことに批判と疑問の声が上がっています

ざっくりPOINT
「正当化のための原爆比較」に国内外から反発
「戦争終結」のためとする歴史認識が再燃
Xでは「非難すべき」「国内向け演出」と賛否入り乱れる

戦争終結と原爆投下の是非を巡る長年の論争
広島・長崎への原爆投下が「戦争終結のために必要だったかどうか」は、戦後80年近く経った今も議論が絶えません。

トランプ大統領が今回、イランへの空爆を原爆投下に重ねて正当化したことで、改めてこの問いが世界に投げかけられました。

原爆による民間人の大量犠牲が国際的な人道法の観点から批判されてきた一方で、アメリカ国内では「数十万人の米兵の命を救った決断」として擁護されてきた側面があります。

こうした米国の“戦争終結正当化論”は、他国の視点から見ると非道や侵略と受け止められがちであり、今回の発言は歴史認識の隔たりを改めて浮き彫りにしています。

現代における軍事行動とその正当化に「原爆」という過去の惨禍を引き合いに出すことの是非も問われており、外交上の影響も無視できません。
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トランプ発言が呼び起こす「記憶」と「政治」
今回の発言は、アメリカの選挙戦略や保守層へのアピールという政治的意図も透けて見えます。

Xでは、「非難されるべき」「原爆と同列に語るのはおかしい」とする声が多数を占め、一方で「10万人以上の米兵の命を救った」「国内世論に配慮した表現」との肯定的な意見も見られました。

また、「国内向けの理解のための演出では」とする冷静な分析や、「そもそも原爆正当化が根本からおかしい」とする怒りの投稿も散見されました。

発言は単なる歴史認識の問題にとどまらず、米国の外交スタンスや戦争観の象徴的発露とも言えます。

イランとの関係悪化やNATO内の緊張が続く中、こうした強硬姿勢が国際社会とのさらなる乖離を招くリスクも抱えており、慎重さが求められる局面です。

 【ハーグ時事】トランプ米大統領は25日、イランの核施設に対する空爆を広島と長崎への原爆投下になぞらえ、「本質的に同じものだ。あれが戦争を終結させた」と語った。オランダ・ハーグで開かれている北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせ、NATOのルッテ事務総長と会談した際に述べた。

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 トランプ氏は記者団に「広島や長崎の例を使いたくないが」と断りながら、イラン空爆を正当化した。また、核施設は「完全に破壊された」と強調した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025062500994