北海道倶知安町巽地区で、中国系とみられる個人が建設を進めていた建物について、北海道が森林法違反の可能性を指摘し、工事の停止を勧告しました。
ざっくりPOINT
羊蹄山麓で無許可伐採による建築工事が発覚
開発業者に森林機能の復旧計画書提出を要求
近隣ニセコ町では中国系企業のリゾート開発が頓挫
北海道倶知安町で建設が進められている建築物について、北海道が森林法に違反するとして、工事の停止を命じていたことがわかりました。
【画像を見る】中国系とみられる人物が建てようとしている建築物
蝦夷富士とも呼ばれる羊蹄山のふもとに、木が伐採された土地があります。
白い大きな建物が建設中のようです。
工事の停止を命じられたのは、羊蹄山のふもと、倶知安町巽地区にある、この大きな建物です。
中国系とみられる個人が、札幌の会社に依頼して建設が進められていました。
しかし、4日、この場所に北海道の後志総合振興局が立ち入り調査したことがわかりました。
その結果、森林法で定められた範囲を超え、無許可で伐採が行われていたとして、開発業者に対して工事の停止を勧告しました。
そもそも、この大きな建物は何だったのか。
開発業者は、北海道に「戸建ての住宅2棟」であると報告し、工事は遅くとも、2023年から進められていたということです。
道は、開発業者に森林の機能を維持するための「復旧工事計画書」の提出を求めています。
一方で、倶知安町からほど近いニセコ町では、大型高級リゾート施設「New World La Plume Niseko Resort」を建設していた中国系企業が経営破たんしていて、ニセコの観光開発にどのような影響が出るのか、注目が集まっています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d0d660b15822de8e2716d375541ed0667d54b3ce
外国資本による北海道開発と法的課題
北海道のニセコエリアは、豊かな自然と観光資源により、国内外からの投資が活発化しています。
特に中国をはじめとする外国資本によるリゾート開発が進められてきましたが、一部では法令遵守が不十分な事例も報告されています。
今回の倶知安町での無許可伐採問題は、森林法に基づく適切な手続きを経ずに開発が進められたことが原因とされています。
北海道は、開発業者に対して森林機能の復旧計画書の提出を求めており、今後の対応が注目されます。
地域の自然環境を守りつつ、持続可能な開発を進めるためには、法令遵守と行政の監視体制の強化が不可欠です。
持続可能な観光開発への道筋
ニセコエリアでは、外国資本によるリゾート開発が地域経済の活性化に寄与してきましたが、過度な開発や法令違反が地域社会や環境に悪影響を及ぼす懸念も高まっています。
今回の無許可伐採問題は、開発と環境保護のバランスを再考する契機となるでしょう。
持続可能な観光地としての発展を目指すためには、地域住民、行政、投資者が協力し、法令遵守と環境保全を前提とした開発計画を策定・実施することが求められます。
今後は、透明性の高い情報公開や地域住民の意見を反映した開発が重要となるでしょう。