卵はさまざまな料理に用いることができて、食卓には欠かせない食材です。それだけに食べる機会も多く、1日に何個も食べることもありますよね。
かつて卵は「1日1個しか食べてはいけない」といわれていたこともありますが、現在は何個まで食べてもいいとされているのでしょうか。
健康な人であれば何個まで食べていいのか
『一般社団法人 日本養鶏協会』(以下、日本養鶏協会)に聞いたところ、このような回答がありました。
健康な人であるならいくつ食べても問題ありません。卵にはコレステロールが多く含まれていますが、健康な人なら血液中のコレステロール濃度が一定に保たれるためです。
卵が好きな人だと、オムレツに目玉焼きに卵焼き、スクランブルエッグなどさまざまな料理で卵を楽しみたいものですが、健康であるならば何個食べてもOKのようです。
むしろ、日本養鶏協会はこのようにアドバイスします。
卵はビタミンCと食物繊維以外の栄養素が含まれている優れた食品です。そのため、毎日1個以上は食べることをお勧めします。
「卵は1日1個」といわれていた理由
『卵は1日1個が理想』というのは、厚生労働省の『食事摂取基準』で、コレステロール摂取量の上限が成人男性750mg、成人女性600mgと定められていたからです。
この数字を基に『卵は1日に1個』とされていました。
そもそもなぜ「卵を食べ過ぎてはいけない」とされていたのでしょうか。
日本養鶏協会によると、その説の起源をたどると、ロシアの病理学者ニコライ・アニチコワに行きつくとのこと。
彼が行った、『普段卵を食べない草食動物に卵を与える』とういう実験で、動脈硬化を発症したことから、卵を多く摂取するのは危険という説が広まったそうです。
しかし、この実験とその結果は信ぴょう性がないことが分かり、後年にアメリカで行われた研究でも、健康な人であればコレステロール摂取量の抑制は意味がないことが判明。
科学的根拠がないことから、2015年の『食事摂取基準』(厚生労働省)からコレステロール摂取量に関する項目はなくなりました。
かつては当たり前のようにいわれていた『卵は1日1個説』には、なんの科学的根拠がなかったとのこと。
「卵が好き!」という健康な人は、『毎日1個以上』を目安に卵料理を楽しみましょう!