便利で身近なコンタクトレンズ|その裏に潜む怖ろしいアカントアメーバ角膜炎

コンタクトレンズは古くは1800年代後半のスイスで実際に目の装着用ガラスレンズが開発され、日本では1950年代に登場しました。 当初は視力矯正のために開発されたコンタクトレンズですが、昨今はカラーコンタクトや黒目を大きく見せる縁取りがされたものなど、そのファッション性が重視され、視力矯正以外の目的で装着する人が増えてきています。

また以前は医師の処方箋が必要だったのですが、最近ではその必要もなくなり、より気軽に多くの人が利用できるようになりました。そんな便利で手軽なコンタクトレンズですが、その装着人口の増加とともにコンタクトレンズが原因のある恐ろしい症状も増加傾向にあると言われています。
それは「アカントアメーバ角膜炎」と呼ばれる症状。

このアカントアメーバは水中に生息する微生物の1つで日本の場合は水道水や土壌などのあらゆる環境に生息していると言われています。ただし、健康な人が接触しただけでは病気を引き起こすことはないと言われています。しかしながら近年コンタクトレンズの不適切な使用によりこのアカントアメーバ角膜炎にかかってしまう人が増えているというのです。

使用期限を過ぎたコンタクトレンズを長期使用していたり、洗浄を怠ったりすると感染の危険性が高まるそうです。このアカントアメーバ角膜炎、残念なことに通常の抗生物質が効かず、治療は困難な上に重症化しやすく、治療期間が何ヶ月と続く場合もあり、ひどい場合は角膜移植をしなくてはいけない場合もあるそう。そして最悪の場合は失明する危険性も考えられるそうです。
ではどのように予防をしたらいいのでしょうか。

■コンタクトを着けたままシャワーを浴びると失明するかも… コンタクトを着けたままシャワーを浴びた男性が、失明するというニュースが報じられました。…

Posted by 坪上博義 on Thursday, July 18, 2019

具体的な予防策はこちら:
①コンタクトにさわる前に石鹸で手洗い
手を洗わないでコンタクトをこすり洗いすると微生物をコンタクトに擦りつけているのと同じ状態になります。

②【重要】コンタクトレンズのこすり洗い20回以上+すすぎ
コンタクトに付着した微生物を含む付着物を洗い流します。ソフトコンタクトレンズのケア用品はMPS洗浄液(マルチ・パーパス・ソリューション)が主流ですが、消毒効果が弱いため、必ずこすり洗いをするようにしてください。十分なこすり洗いとすすぎによって細菌数は100分の1~1万分の1にまで減るそうです。

③MPS洗浄液は毎回捨てる。つぎ足しは厳禁
ケース中に細菌とアカントアメーバが生き残っている可能性が高く、しかも古いMPSの消毒力は低下しています。食器を洗わずに使い続けて食中毒をおこすようなものです。

④ケースは毎回洗って乾燥させる(水分中にアカントアメーバが生き残る)

毎回洗っていたとしても、水分が残っているということは微生物もいるということになります。

⑤ケースは3ヶ月ごとに変える
コンタクトのケースに取れにくい汚れ、しみ、またぬめりが生じている場合、これは細菌が作る糖タンパクでバイオフィルムの恐れがあります。これは細菌が消毒薬などから身を守るための外壁になり、いったんこれができるとMPSでは全然消毒はできないとのことです。なのでコンタクトケースは3ヶ月に1度は交換することをコンタクトレンズ学会と眼感染症学会は推奨しています。

⑥入浴時やシャワー時、また水中でのコンタクトレンズの使用をしないこと
海や湖、空気中などの環境中に生息し、水道水にもいるアカントアメーバ。ただ塩素消毒した水道水の中では栄養源となる細菌がいないのでその増殖の心配はなく、水道水がコンタクト装着時の目に入ったからといってすぐにアカントアメーバ角膜炎に感染する訳ではありません。しかしながら時間が経って塩素が抜けた水道水は細菌が増え、その細菌を食べてアカントアメーバが増殖します。実際にシャワー時にコンタクトレンズをつけ続けていたことが原因でアカントアメーバ角膜炎に感染したという事例の報告もあるそうです。なのでお風呂に入る際やシャワー時、また海や湖で泳ぐ時などはコンタクトレンズの使用を避けるようにとのことです。

便利で身近に使用できるコンタクトレンズ。しかしケアを怠ると取り返しのつかないことになりかねません。こすり洗いやケース交換が面倒という方はワンデーの使い捨てコンタクトに変更することをおすすめします。丁寧にケアすることで大切な目を守っていきたいですね。