キラキラネームを改名して新たな一歩を踏み出した山梨の王子様

「子は親を選べない」なんて言葉がありますが、選べないものはそれだけではありません。先日18歳の高校生が自分の「あるもの」を正式に変更することに成功したというニュースが日本中で大きな話題になりました。 その高校生、赤池 肇さんは、「これで新しい人生を始められる」と意気込んでいます。

赤池さんが3月5日に山梨県の甲府家庭裁判所から受け取った書類には、こう書かれていました。

「申立人の名『王子様』を『肇』に変更することを許可する。」

そう…この山梨の高校生は、「王子様」というキラキラネームの持ち主だったのです!

すべての始まりは、赤池さんの母親が特別な思いを持って息子の名前を決めたことでした。「自分にとっての唯一無二の存在。私にとっての王子様」…そして文字通り、「王子様」という名前を息子に与えました。母親は誰にも相談せずにその名前を役所に届け出たそうです。

母親の思いがこもった名前でしたが、赤池さんはその名前によってずっと恥ずかしい思いをし続けてきたそうです。初対面の人に名乗ってバカにされたり、カラオケ店などで会員証を作る際、店員から「本名ですか」と疑われることも日常茶飯事。珍しい名前のウワサは勝手に広まってしまい、ショッピングモールに行くと見ず知らずに人から「王子様じゃね?」と冷やかされることすらあったそうです。その都度赤池さんはみじめな気持ちになっていました。

そして2019年2月。赤池さんは、大学入学を前にして、「今までの人生を変えたい」と名前の変更を申し立てました。書類では改名の理由を「みじめな思いをした経験があるので、これからの長い人生でこのようなことが起こらないように」としました。結果、その申請は受け入れられ、晴れて「肇」という新しい名前と共に生きていくことになったのです。

山梨でキラキラネームを改名した事例はこれが初めてだそうで、この歴史的出来事は、山梨県の新聞でも大々的に報じられています。

赤池 王子様さん、もとい肇さんは、これから子供に名前をつける親に、こう警鐘を鳴らしています。

「キラキラネームはいじめの原因になったり、子供は結構つらい目に遭うかもしれない。そういったこともよく考えた上で、子供には名前をつけてほしい」

その上で、こう付け加えます。

「(仮に嫌な名前であっても)改名できるっていうことをみんなに伝えたかった」

いかがでしたか?子供があまりにも特殊な名前をしていると、可能性が限定されてしまったり、妙な先入観を持たれたりする可能性が高まってしまいます。たとえばタレントとしても活躍する予備校講師の林修先生は、キラキラネームをつける親にテレビでこう苦言を呈しています。

「固有名詞は、あるひとつのものを特定して指示する機能がある。ぱっと見た時に誰と特定できない、指示ができないような名前を付けることが、固有名詞本来のあり方に即しているのか」

子供の名前が本当にその子供の将来のためになるのかをよく考えたいものですね。個性は、名前以外のところでも十分に表現できるのですから。